【Q&A】夏場の「食中毒」の特徴は? 予防策は? 【図解】
暖かい日が増えてきました。本格的な夏の到来に向けて気になるのが食中毒のリスクです。何に気を付ければいいのでしょうか? 政府の資料などを基にお答えします。
Q:食中毒の原因は?
食中毒を起こす主な原因は細菌とウイルスです。細菌が原因となる食中毒は6~8月の夏場に多く発生します。食中毒を起こす細菌の多くは約20度で活発に増殖を始め、人や動物の体温ぐらいの温度で増殖速度が最も速くなるといいます。 一方、ウイルスが原因となる食中毒は11~3月に多く発生するとのことです。
Q:食中毒はどこで発生することが多いの?
厚生労働省の2019年統計によると、飲食店が54.7%と最も多く、次いで家庭(14.2%)となっています。 ただし、家庭内の場合は症状が軽かったり、家族全員に症状が出なかったりすることがあり、食中毒事案として把握されていない可能性があり、実際にはもっと多く起きていることが推測される、とのことです。
Q:食中毒は予防できるの?
食中毒の原因となる細菌を(1)食べ物に付けない(2)食べものに付着した菌を増やさない(3)食べ物や調理器具に付いた細菌をやっつける――の「食中毒予防の3原則」が予防に重要だとされています。
Q:「付けない」ためにできることは?
手に付いている菌を食べ物に付けないよう、調理前、生の肉や魚を扱う前後、調理中にトイレへ行ったり鼻をかんだりした後、などのタイミングで手を洗うことは重要です。 また、生の肉や魚などを切るのに使ったまな板を使用する毎に洗い、殺菌することも大切とのことです。
Q:「増やさない」ためにできることは?
「細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になる」と政府広報オンラインに記載されています。反対に10度以下では増殖が遅くなり、マイナス15度以下では増殖が停止するそうです。 生鮮食品はなるべく早く冷蔵庫に入れ、早めに食べることが推奨されています。
Q:「やっつける」ためにできることは?
ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅するそうです。肉料理では、中心まで加熱することが大事だといい、「中心部を75度以上で1分以上」加熱することが目安だと言います。 まな板、包丁などの調理器具にも菌は付着するものの、これらも洗剤で洗った後に熱湯をかけて殺菌するよう呼び掛けられています。台所用の殺菌剤も効果的だそうです。
Q:ウイルスの場合の対処法は?
「持ち込まない」、「ひろげない」が重要になるとのことです。 (1)持ち込まない 調理場にウイルスを持ち込まないよう、ウイルスに感染しない、感染した場合には調理場に入らないことが大事だといいます。 (2)広げない ウイルスが調理場に持ち込まれても、食品に付着しなければ食中毒には至らないといいます。小まめな手洗い、まな板・包丁などの調理器具の熱湯消毒を定期的にすることが推奨されています。