【図解】「緊急事態宣言」6月20日まで再延長 感染防止対策の内容は?
新型コロナウイルス感染症対策として首相が発出する「緊急事態宣言」。昨年4月、今年1月に続き、4月25日に出された3回目の宣言は、東京や大阪など9都道府県で6月20日まで再延長されることになりました。ニュースでよく耳にする緊急事態宣言ですが、どのような内容なのでしょうか。また、それによって私たちの生活にはどんな影響があるのでしょうか。過去2回の宣言を振り返りながら見てみましょう。 【図表】「まん延防止等重点措置」と「緊急事態宣言」との違いは? 【関連記事】
Q:そもそも政府の「緊急事態宣言」って?
発出するには(1)国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れがある(2)全国的かつ急速なまん延により国民生活・国民経済に甚大な影響を及ぼす、あるいはその恐れがある――の2つの要素が認められる必要があります。
Q:対象地域はどこ? どう決まるの?
政府は緊急事態宣言を発出する際に(1)期間(2)区域(3)緊急事態の概要、をそれぞれ示す必要があります。宣言の内容や具体的な対策は「基本的対処方針」という文書に記され、各都道府県はそれを踏まえて対策を実施します。宣言を発出したり内容を変更したりするには、専門家らで構成する政府の「基本的対処方針分科会」(会長:尾身茂氏)に諮って意見を聞く手続きが必要です。 3回目となる今回の宣言は当初、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に、4月25日から5月11日までの17日間で設定されていました。しかし全国的な感染拡大に歯止めはかからず、期間が5月31日まで延長され、対象地域も愛知、福岡の2県が加えられました。16日にはさらに北海道、広島、岡山の3道県を追加。23日からは沖縄県も対象になりました。東京や大阪などの9都道府県は5月末が期限でしたが、さらに沖縄と同じ6月20日までの期間で延長することが28日に決まりました。
Q:今回の宣言ではどんな対策が取られるの?
今回の緊急事態宣言では、人と人との接触機会を減らし、人流を抑制する観点から、 ▽酒類やカラオケを提供する飲食店に対して休業要請(それ以外の飲食店は午後8時までの営業時間短縮を要請) ▽百貨店など床面積が計1000平方メートルを超える大型商業施設に対して午後8時までの営業時間短縮を要請 ▽スポーツなど大規模イベントは上限5000人か収容率50%以下の少ない方の人数で開催要請 などの対策が盛り込まれています。 ただ知事の判断によって、大型商業施設への休業要請やイベントの無観客開催などの強い措置を「上乗せ」して講じることも可能としています。実際、東京都や大阪府、愛知県などでは百貨店などに対し、土日のみ休業要請を行います。 検査体制の強化も掲げました。PCR検査について最大で1日約36万件分の体制を整えるほか、大学や高校に最大約80万回分の抗原簡易検査キットを可能な限り早く配布するとしています。