育成型クラブが求める選手の基準は? 将来性ある子供達を集め、プロに育て上げる大宮アカデミーの育成方法
U18 で戦えなければ、トップ昇格はありませんが…
――今年のプレミアリーグEASTの顔ぶれを見ると、12チーム中、クラブユースは大宮U18をはじめ鹿島アントラーズユース、柏レイソルU-18、FC東京U-18、横浜FCユース、川崎フロンターレU-18の6チーム。一方、高校は青森山田高校、尚志高校、前橋育英高校、昌平高校、市立船橋高校、流経大柏高校の6チームと勢力図としては拮抗しています。以前、他クラブのアカデミー担当者に聞きましたが、環境面も含め、ライバルは周辺地域にある強豪高校であるとも話していました。 金川:同じリーグで対戦してきた青森山田さんや尚志さん、前橋育英さんとどのように戦うかはアカデミーとしての基準となっています。大宮U18として(そういった相手と)戦えるようにジュニアユースから育てています。最終的にはトップチームに昇格するのが目標ですが、選手をU15からU18 に上げるときも、「果たして(U18 で)戦えるのか」を考えます。もちろんU18で戦えなければ、トップ昇格はありませんが、そのレベルで切磋琢磨し、勝ち負けを経験することで選手のさらなる成長につながります。 昨年、プレミアリーグEASTをなんとか残留できましたが(12チーム中9位)、1年間では選手のケガやコンディション、勝ったり負けたりの波があります。長く苦しいシーズンでも諦めなかったり、必死にトレーニングに取り組むなかで成長しています。強豪高校は人数が多くいますので、誰かがケガをしても替わりになる選手はいますが、(クラブユースは)人数が少ない分、影響は大きく出ます。そこが少数精鋭で1年間リーグを戦ううえでつらいところになります。 毎年、1年を通して選手に働きかける部分では、全員で底上げしていくことで全体のレベルを上げて、トップに昇格する選手に押し上げていくのが理想です。みんな同じ意識でやっている分、戦い方やメンタル面でもまとめやすい面はあります。