台風10号で気象庁・国交省が合同記者会見 暴風が吹き始めてからの屋外行動は命の危険も
日本の南にある台風10号は、今後、週末にかけて「特別警報級」の勢力にまで発達し、5~6日にかけて沖縄地方に接近し、さらに勢力を維持したまま北上して6~7日にかけて奄美地方から九州に接近、上陸する恐れがある。 【会見ノーカット】台風10号、最強クラスで上陸も 気象庁と国交省が会見「4日までに備えを」 気象庁と国土交通省は3日午後5時から合同で記者会見を開き、「明日4日までに台風への備えを終わらせるように」と呼び掛けた。台風が接近する前に、このような形で気象庁と国土交通省が合同で記者会見を開くのはこれまでに例がなく、台風10号に対する強い危機感を示したものといえるだろう。
記者会見では、気象庁が今後の気象の見通しについて、国交省が河川の増水・氾濫への警戒事項について、それぞれ説明した。 気象庁の杉本悟史・主任予報官は、台風が接近する沖縄・奄美地方や九州地方だけでなく、西日本や東海地方の太平洋側でも警報級の大雨のおそれがあると説明。また、国交省の青野正志・河川保全企画室長は「台風の接近する地域では、河川の増水や氾濫などの際に、暴風により移動ができなくなることも考えられる。風が強くなる前に安全なところに避難するなど、早めに身の安全を確保してほしい」と呼び掛けた。
さらに、国交省の津森貴行・流水管理室長は、事前にダムの水位を下げておく「事前放流」を実施する予定であることを明らかにした。津森室長は「河川によっては、大雨になる前のまだ晴天である時点から事前放流によって河川の水量が増えることが見込まれる。見た目の天候にとらわれないように」と話した。 今年7月に九州などを襲った豪雨災害とはやや異なり、台風の場合は、進路や強さなどの予測情報があるため、あらかじめ備えておくだけの時間的な余裕がある。しかし、いざ台風が近づいてきて暴風が吹き始めると、屋外での行動は命に危険が及ぶことも考えられる。このため、土砂災害や洪水、高潮のおそれがあるところに住んでいる場合は、風雨が強まる前の早めのタイミングで、身の安全を確保する行動を取ることがきわめて重要になる。危険が迫ってからあわてないようにしたい。