なぜ共産党なのか?習近平氏の出した答えが「強い中国」 垂秀夫前駐中国大使が解説する「四つの視座」とは【中国の今を語る(1)】
日米欧など西側諸国は「対中包囲網構築」と考えているが、今囲まれているのは西側だ。中国はグローバルサウスとの関係で大成功している。「大家族」対「小グループ」の対立軸。それを日米などは過小評価している。中国の外交は、一部だけを見て「覇権だ」「戦狼だ」というのではなく全面的な理解が必要だ。 × × × 垂秀夫氏(たるみ・ひでお) 1961年、大阪府出身。海外勤務は中国本土4回、香港1回、台湾2回で、外務省の中国語研修組としても極めて異例の経歴を歩んできた。幅広い人脈や情報収集能力に定評があり「中国が最も恐れる男」と称されることもある。2020年9月から3年余り、中国大使を務めた。写真撮影はプロ級の腕前で、退官後に写真家に転身。今年4月から立命館大教授。