洗濯王子・中村祐一が説く「洗濯の基本となる3つのポイント」
黄ばみや臭いなど、なかなか解消できない服に関する悩み。 洗濯王子としてさまざまなメディアに引っ張りだこの中村祐一さんによれば、「料理教室のように洗濯を専門家に学ぶ人はおらず、誤った洗濯の仕方によって、しっかりと汚れが落とせていない」という。 洗濯の基本とは何か。重要なのは洗剤か洗濯機か。気になる点は多くあるだろう。そこで中村さんにご自身の活動とともに、洗濯の極意を教えていただいた。
洗濯王子の誕生
ー洗濯の仕事に就いたきっかけを教えてください。 もともと実家がクリーニング屋をやっていたこともあって、洗濯は身近な存在でした。他にやりたい仕事もなかったので、とりあえず家業のクリーニング屋を継ごうと思いました。父がずっと腰を悪くしていて杖をつきながら仕事をする姿を見て、助けになればいいかなと思ったのも理由です。 ー番組出演をきっかけに、洗濯王子と名付けられたようですね。 当時、ハンカチ王子とかハニカミ王子が世間をにぎわしていたので、その一環で付けられました。最初は戸惑いましたが、今ではニックネームのような感じで慣れました(笑)。 ーどういった経緯で、番組に呼ばれるようになったのですか。 当時、実家の経営状態が好ましくなく、メディアで宣伝する方法がないかと考えていました。差別化を図る方法を探していくなかで、料理教室の先生や収納の達人といった、その道の極意を伝える人がいるのに、洗濯の先生はいないことに気づきました。 そこで自分で洗濯アドバイザーを名乗って発信をし始めたら、意外と洗濯で悩んでいる人が多いことに気づきました。お店の宣伝という意識はなくなり、悩みに応える活動として続けていくなかで、メディアに声をかけていただく機会が増えました。
衣生活をきちんと考える暮らしを、洗濯から提案
ー「洗濯からセカイを変える」という理念を掲げていますね。 洗濯といっても、考える要素は多岐にわたります。どういう風に洗うのか、洗剤をどれにするか、水をどれだけ使うのか、洗濯機をどう使うのか。そこから、乾燥や保管、次の着こなしまで考えていくと、洗濯の見直しは衣服に関わるすべての事象に繋がっていきます。 ファッション分野でのサステナビリティといえば、大量廃棄の問題やリサイクルの仕方が議論されますが、本来一度作ったものをできるだけ長く使うことを考えることが、一番負荷が少ないはずです。服をいい状態で長く着ることは環境負荷の低減に繋がりますし、洗濯から変えていくと、実はすべてが変わっていく。そういう思いで活動をしています。