洗濯王子・中村祐一が説く「洗濯の基本となる3つのポイント」
適切に洗濯方法を決めるために、まずは、衣服に使われている素材のそれぞれの特徴を知る必要があります。綿なのか、ポリエステルなのか、それともシルクなのか?などなど、使われている素材によってできる洗い方が変わります。 相談の中には、ニットの洗い方を教えてほしいというのがあるのですが、それだけだとアドバイスできません。どんな素材のニットなのか?によって、できる洗い方がまったく変わります。 服(素材)を見る意識を持ちながら、それぞれの素材の特徴なども知識として増やしていってほしいと思います。 また、素材が同じでも、衣類の色やつくりなどによっても洗い方が変わるため、素材と絵表示、仕立てを見て洗い方を判断する必要があります。
たとえば、この白のTシャツを洗うとしたら、まず素材を確認します。 綿60%、ポリエステル40%となっています。 綿とポリエステルはいずれも水洗いに強い素材ですし、色も白なので色落ちを気にする必要もありません。Tシャツの着用環境(素肌に直接触れる)なども考慮すると、僕たちプロは、水温40℃、弱アルカリ性の洗剤を使って標準モードで洗い時間10~15分、すすぎ3回、脱水3分を目安に洗う、という感じの洗い方が瞬時に頭に浮かびます。 白いTシャツを着る状況を考えると、こういった洗い方をしておくと汚れもきちんと落ちて白い状態を維持したまま着続けることができます。逆にこれよりも水温が低かったり、洗う時間やすすぎが少なかったりすると、汚れが落ちきらず黄ばんできたりすることも増えてしまいます。 でも、絵表示を確認すると、水温は30℃以下で、ソフトモードで洗うことが指定されています。 Tシャツを確認しても、特別糸が細くデリケートなわけでもないですし、壊れやすいファスナー、ボタン、装飾などがあるわけでもなく、特にソフトモードで扱うべき部分は見当たりません。となると、これは表示(服)がおかしいと僕らは考えます。