1971年の新聞記事。かりゆしウェアではなく「おきなわシャツ」と記載されている（提供：琉球新報社）

「当時はモチーフの限定も特になく、沖縄を連想させるトロピカルな雰囲気のシャツを製造していました。 呼び方もトロピカルウェアやおきなわシャツ、おきなわアロハなど各社が名付けた名称で販売されていて、かりゆしウェアという名称に統一されたのは1990年です。沖縄県の商工労働部の提唱で、県民からの公募で決まりました。 『かりゆし』は沖縄の言葉でめでたいとか縁起がいいといった意味なので、着るだけでめでたい気分になるということも含めて選定されています」

「沖縄県産かつ沖縄らしさを表現した」ものだけが、かりゆしウェアと認められる

1990年の名称統一に合わせて、かりゆしウェアの定義も明文化された。ひとつは「沖縄県産品であること」。もうひとつは「沖縄らしさを表現したものであること」。それぞれについて詳しく聞いていこう。 「生地の裁断から仕上げに至るまで、一貫して沖縄県内で行っているというのが『沖縄県産品』の条件です。 たとえば県外や海外から半製品の状態で持ち込んで、沖縄でポケットをつけて仕上げましたとか、ボタンをつけましたといったものはかりゆしウェアとしては認められていません。 工場も、沖縄県衣類縫製品工業組合の正会員あるいは賛助会員に加わっていただき、技術検査を経た認定工場で作られていることが条件です。

認定工場で製造されるかりゆしウェア

一方で『沖縄らしさ』というのは、必ずシーサーを入れてくださいとか、ハイビスカスを使ってくださいといったモチーフの限定は一切しておりません。デザイナーさんそれぞれの感性で沖縄らしさを表現してもらえればと思っています。 デザインは本当に多種多様ですね。沖縄の動植物はもちろんですが、ハーリー（沖縄県で5月に開催される伝統行事）やエイサー、闘牛の柄などたくさんのモチーフがあります」 認定工場で作られたかりゆしウェアには、それを認める4種類のタグのいずれかがついているという。それぞれの違いについて聞いた。

画像提供：沖縄県衣類縫製品工業組合

「まずブルーのタグは、認定工場で作られたものであることを示しています。