じつは「マンモスが滅びて、森が繁栄した」…同じことが「白亜紀」に起こっていても「少しも不思議ではない」という、納得の理由
樹木をなぎ倒す巨大な動物たち
ゾウのように巨大な動物は、しばしば樹木をなぎ倒す。 それは今に始まったことではない。数十万年~数万年前のシベリアではマンモスが樹木をなぎ倒していたし、中生代の恐竜も樹木をなぎ倒していたに違いない。そして、そういう巨大な動物の行動は、生態系や生物の進化に大きな影響を与えてきたのである。 【画像】系統樹から浮かび上がった「とうてい科学では明らかにできない」世界
地球で最大勢力になった被子植物
地球上のすべての生物を、その体に含まれる炭素量で比較した場合、全体の8割程度は植物が占めていると推定されている。つまり、重さで考えれば、地球上の生物の中で、植物が圧倒的に多いということだ。 そんな植物のなかで、現在もっとも繁栄しているのが被子植物である。イチョウやマツやスギは裸子植物だが、それ以外の平たい葉を持っていたり花が咲いたりする植物は、たいてい被子植物である。雑木林(ぞうきばやし)の代表的な樹木であるクヌギやコナラをはじめ、サクラやバラ、リンゴやミカンなども被子植物だ。 被子植物の最古の化石は、白亜紀前期(1億4500万~1億年前)の花粉の化石である。白亜紀というのは、恐竜の時代とも呼ばれる中生代を3つの時代に分けたとき、その最後の時代である。被子植物は白亜紀を通じて放散し、新生代になると地球の生物の最大勢力となっていくのである。
昆虫による受粉
被子植物が、稀に見る成功を収めた理由として、昆虫などに花粉を運ばせたことが挙げられる。 風で花粉が運ばれた場合、花粉が別の花に届く確率は非常に低い。しかし、昆虫に運んでもらえば、花粉が別の花に届く確率は、桁違いに高くなる。昆虫はやみくもに飛びまわるわけではなく、別の花に狙いを定めて飛んでいくからである。 また、届けられる花粉の数も格段に多くなる。そのため、被子植物では、昆虫に花粉を運ばせるために、さまざまな戦略が進化している。
スイレンの生存戦略
スイレンの仲間であるオオオニバスは、巨大な皿のような葉を水に浮かべ、花も水上で咲かせることで知られている。小さな子どもが葉の上に載っている写真を見たことのある人もいるだろう。このオオオニバスの花は、ふつう夜に咲く。開花した最初の夜は色が白く、強い香りを放って昆虫を誘引する。そして朝になると、花を閉じて、昆虫を閉じ込めてしまうのである。 通常、昆虫は、すでに他のオオオニバスの花を訪れているので、体に他のオオオニバスの花粉を付けている。花の中に昆虫を閉じ込めたオオオニバスは、その花粉で受粉するのである。そして、2日目の夜になると、オオオニバスの花はピンク色に変わって、花を開く。香りは、すでになくなっている。解放された昆虫は、体中に花粉を付けて、新たなオオオニバスを求めて飛び立つのだ。 また、ランの中には、メスのハチに似た花を咲かせるものがいる。オスのハチを引き付ける匂いも出すので、オスのハチはすっかり騙されて、ランの花に止まって交尾しようとする。こういうオスのハチは、体に花粉をたっぷり付けてから別のランの花へと飛んでいく。このようにして、次から次へとランを受粉させるのである。
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