海外での認知不足を克服し、年率50%成長! 旭化成エレクトロニクスの新たなデジタル戦略
3年でデジタル起因の案件数が3倍に
デジタルマーケティング施策の効果測定は、マーケティング部門内に閉じたものになりがちだが、セールス部門によって案件化し収益につながらなければ施策の成功とは言えない。マルケトの活用によって、収益まで含めての効果測定ができるようになってきたのが大きな導入効果だ。 社内からも次のような声が挙がっている。 ・「商談化しているお客さまの導線や背景が見やすくなった」(営業担当) ・「きちんとアクセス解析をしてPDCAを回すことで、ターゲットのお客さまからの問い合わせを増やすことができた」(製品開発担当) ・「少ないリソースでもウェビナーやコンテンツを効率よく量産でき、ターゲットのお客様を獲得できた」(営業担当)
┌────────── 組織から変えて、システムも整備した結果、少ない人員ながらうまくスケールアウトして成果が出せるようになりました。具体的な成果も出ていて、3年でデジタル起因の案件数が3倍に、年率50%で伸びています。少しずつですが、海外比率も上がってきました(池原氏) └──────────
システムを導入することで、課題だったコンテンツ制作やマーケティング運用のスピードや質は改善された。ただし、「システムを導入して、ある程度活用できるようになってきたことで、ボトルネックがシステム面から運用面に変わってきている」と井上氏は感じているという。 基盤が整ったが、今はまだグローバルスタンダードの枠にはめてみたという段階。営業部門にとって快適とまではいかないが、今後は他部署との連携を強化し、さらに活用していくフェーズとなる。それには、他部署とのコミュニケーションが大事だ。 取り組みの1つとしては、社内向けのコミュニケーションサイトを作り、デジタルマーケティング部の活動内容や成果を、他部署に共有している。また、リードスコアリングのルールをプレイブックとして作っているが、それも公開している。 プレイブックは、社内啓蒙のツールにもなり、方針に迷ったときに立ち返る指針だ。さらには、同じプレイブックに沿った作業フローを実施することで、属人化を防ぐことができるのも大きなメリットになっている。 とはいえ、作って公開しただけでみんなが見てくれるというわけではないので、社内にいかに浸透させるかが、新たな挑戦だ。