海外での認知不足を克服し、年率50%成長! 旭化成エレクトロニクスの新たなデジタル戦略
MAを本格的に活用するためにユーザーコ ミュニティを活用
井上氏は 2022年に産休・育休から職場復帰した。そのタイミングで、Webコン テンツ制作の企画などは継続しつつ、マルケトの専任担当者にアサインされた。マルケトでは、たとえば以下のよ うな機能を活用している。 ・メールを一斉配信するだけでなく、スケジュールを決めて自動的に配信 ・顧客属性ごとに内容の異なるメールを出し分け ・Zoomと連携してウェビナーを開催 ・行動履歴などから購入意向の高さを測るリードスコアリング
活用方法の1つとして、ABM施策の実施がある。ABM(Account Based Marketing)は、特定の企業(アカウント)をターゲッ トとして設定し、その企業からの売り上げを最大化するという考え方だ。
さらに、リードスコアリングについても、判断項目として行動情報に加えて属性情報を加味するなどで精度を向上した。当初は、スコアが高くても本当に営業に渡せるリードなのかをマーケティング部門で精査しなければならなかったが、これによりMQL(Marketing Qualified Lead)の確認工数が激減した。 元々、電子回路設計者でマーケターというわけではない井上氏が、かなり使いこなしているように見える。しかし、マルケトの担当は井上氏ひとりで、詳しい人材を採用したというわけではなく、「最初は全然使いこなせなかった」という。コンサルタントの力も借りたが、役に立ったのがユーザーコミュニティだった。 ┌────────── まずは「マルケトとは」から検索し始め、ユーザーコミュニティに「Marketo Foundation MUG」という初心者向け分科会を見つけました。基礎を教えてくれるウェビナーのアーカイブがあったので、それを見あさり、それでもわからないことはコミュニティの掲示板で質問して先輩ユーザーに教えてもらいました(井上氏) └────────── 井上氏は、マルケトによるこうしたマーケティング改善活動が評価され、2023年に「Japan Adobe Advocates」(アドビがチャレンジングな課題解決に取り組んだマーケターを選出する)を受賞している。