海外での認知不足を克服し、年率50%成長! 旭化成エレクトロニクスの新たなデジタル戦略
その他、製品情報データベースと連携して、自動的に製品情報ページを生成するような機能をカスタムで開発した。
旭化成エレクトロニクスは非常に製品数が多いので、製品ページを作るだけでも結構な工数がかかる。なおかつ、製品の情報を手入力した場合に発生するミスは、製品に詳しい人間でないと気づけない。そういう意味でも、かなり工数削減ができているという。
マーケティング運営面でも課題、マルケトの導入へ
Webサイトにいくら集客しても、それが収益につながらなければ意味がない。BtoB企業では、問い合わせや資料ダウンロードの際に個人情報をフォームに入力してもらい、営業にアタックリストとして役立ててもらうというのが一般的だ。ただし、集めたリードが本当に案件化することは少ない。 まず集めたリードを営業に受け取ってもらえるか、受け取ってもらったとして、それが売り上げにつ ながるかを考え、営業に喜ばれるリードを生み出す必要がある。それには、さまざまなマーケティング施策とそのためのツールが必要だ。もちろん、渡したリードがきちんと案件化できたのかという観点で、効果測定や検証もしなければならない。 旭化成エレクトロニクスでも、Webサイトの強化とともに、MAツールを試していた。といっても、知識もなく、成果が出せるかどうかもわからない状態なので、比較的安価なツールでMAを試すという使い方だった。井上氏によると 「フォームの実装とニュースレターの配信くらいしかやっていなかった」という。 マーケティング運営面では、以下のような課題があった。 ・MAは、リード獲得のためのフォーム管理ツールとしてしか活用できていない ・マーケティング施策の効果測定が行われていない ・マーケティングで創出したリードを営業に渡すオペレーションが構築されていない これらを解決するには、お試しで導入した既存のツールでは機能に不足があった。そこでAdobe Marketo Engage(マルケト)を導入した。AEMと同じアドビ製品なので、親和性が高いと考えられるこ とが採用理由の1つだった。また、高機能なため 高価な製品だが、旭化成グループの 別の会社で導入を検討していて、費用を案分できることも後押しした。