自然に還らない化学物質PFAS、マイクロプラスチックと合体して最恐の毒に
人間にも関わる問題
今回の研究結果について、主任研究者であるLuisa Orsini氏はプレスリリースで次のように述べています。 「私たちの研究は、PFASが遺伝子の機能にどのような影響を与えるかを突き止めるための今後の研究に道筋を示し、その長期的な生物学的影響について重要な洞察を提供しています。 今回の発見は、水生生物だけでなく人間にも関わるものであり、環境中で意図せずに組み合わされた汚染物質に対応するために、規制の枠組みが早急に必要であることを浮き彫りにしています。化学物質の混合物を規制することは、水系を保護する上で極めて重要な課題です。」 また、研究結果の中でも、生物や人間の健康への影響について、以下のように記述しています。 「(研究結果は)野生生物と人間の健康に対する混合化学物質の影響を理解する必要性を強調しています。」 人体のいたるところで見つかっているマイクロプラスチックは、発育障害やホルモンの乱れ、心血管疾患などとの関連が、一般的に防水や耐熱製品に使用されているPFASは、がん、腎臓疾患、肝臓障害、免疫障害など、深刻な健康問題との関連が指摘されています。 これまで、マイクロプラスチックとPFAS単独の研究は行なわれてきましたが、混在させた場合の影響については研究が進んでいませんでした。リアルな世界ではマイクロプラスチックとPFASが束になって存在しているので、今回の研究結果には大きな意味があると思います。 マイクロプラスチックとPFASそれぞれの健康への影響についての知見も深めてほしいですが、人間の体内の同じ場所にマイクロプラスチックとPFASが蓄積した場合にどんなリスクがあるのかも気になるところではありますね。 Source: Image: Soltanighias at al. 2024 / Environmental Pollution, Birmingham University Reference: The Guardian
Kenji P. Miyajima