ウィメンズプロトンのオールスター! オランダ開幕、最終決戦はラルプ・デュエズ フォレリングの2連覇はあるか!?【Cycle*2024 ツール・ド・フランス ファム:プレビュー】
男子のツール・ド・フランスが閉幕後すぐにパリ五輪を迎えたが、バトンタッチのごとく今度は「女子版ツール・ド・フランス」ツール・ド・フランス ファムが幕を開ける。第3回大会は8月12日から18日まで、全8ステージで争われる。 ロードレースシーンにおける存在感、ならびにその価値が十分に確立され、注目度も上がるばかり。大会そのものの歴史は浅いが、いまに至るまで主催者、関係者、そしてウィメンズプロトンに身を置く選手たちの尽力は大きなものがあった。
女子版のツール・ド・フランスが初めて開催されたのは1955年。当時はその1回限りだったが、1984年に復活。1989年まで継続して実施された。このときは男子ツールと同時開催され、フィニッシュ地を共通化するなどの工夫がなされた。運営も、その頃の主催者であるツール・ド・フランス協会が担った。
しかし、1990年の開催を断念すると、以降長くウィメンズプロトンがツールに触れる機会は設けられなかった。「女子版ツール・ド・フランス」と銘打って行われたレースはあったものの、主催がツールとは異なっていたことや、財政難、注目度の低さ、そして何よりツールを運営するA.S.O.(アモリ・スポル・オルガニザシオン)との権利問題が大きな壁になった。
こうした状況を打破したのは、レースを走るライダーたちだった。いまもウィメンズプロトンのキャプテンを務めるマリアンヌ・フォス(ヴィスマ・リースアバイク)ら数人が、A.S.O.に女子版ツールの開催を嘆願したのが2013年。これが世界中で大きく報道され、さらには約10万人もの署名集めに成功。A.S.O.は2014年、ツール関連イベントとしてウィメンズレース「ラ・コルス・バイ・ル・ツール・ド・フランス」を立ち上げた。
初年度は男子ツールの最終ステージに先立って、シャンゼリゼ通りで開催。初代女王にはフォスが輝いた。以降、数年間は男子ツールと併催。そこには、男子ツールとの「ステージ共有」や「両レースの連動性によるメディア配信の効率性」といった、A.S.O.のねらいがあった。
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