「逮捕を」「尹氏、万歳」 韓国大統領公邸近くで両派集会、騒然
韓国ソウルの大統領公邸付近で5日、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の逮捕を求める市民と、尹氏の支持者がそれぞれ大規模集会を開いた。衝突の懸念もある中で、機動隊員らが警戒に当たり、騒然とした雰囲気となった。 【写真まとめ】逮捕を求めるプラカードを持つ市民 両派の大規模集会で騒然 尹氏による「非常戒厳」を巡り、捜査当局は内乱容疑で尹氏を捜査しており、裁判所から逮捕状を発付された。だが3日は尹氏を守る大統領警護庁の要員らに逮捕を阻止された。逮捕状の執行期限は6日に迫っている。 5日は未明から雪が降り積もり、極寒となった。尹氏の逮捕を求める集会は、労働組合などが中心となって企画。1月3日から3日連続で抗議活動を展開している。参加者は「尹錫悦、逮捕!」「監獄へ送れ!」などと叫んだ。女性会社員のイ・ソンヒさん(23)は「戒厳令を宣布して国会に軍隊を送った時点で民主主義の精神に著しく反している。このような大統領は即刻逮捕すべきだ」と力を込めた。 一方、約500メートル離れた場所では、尹氏の支持者らが集結。保守系のキリスト教団体の牧師らが「弾劾は無効だ!」などと訴えた。参加者らは「不正選挙」と記したプラカードを手に「尹錫悦大統領、万歳!」などと叫んだ。 尹氏や支持者らは野党が大勝した2024年4月の総選挙に不正があったと主張している。妻と共に駆けつけた李晃亨(イファンヒョン)さん(60)は「北朝鮮などが総選挙のシステムにハッキングを仕掛け、選挙結果が覆された。大韓民国の民主主義は危機にひんしており、私たちは尹大統領を守るために力を尽くす」と語った。【ソウル福岡静哉】