ブランドを主張しないSUN℃OREのスニーカーがファッションフリークの視線を釘づけにする理由
「我々のスニーカーはあくまでギアなので、雨の日でも気兼ねなく履けることが条件です」
「これだけ手間のかかるスニーカーを生産できる工場は、世界中どこを探しても、今の工場以外にまずありません。 なんといっても、パーツ数が一般的なスニーカーよりはるかに多く、縫製に相当の手間ひまがかかりますから。それに革靴のように一足ずつ木型を用いて作っているんですが、木型の数には限りがあるため、1日に作れる足数も限られます。 でも、丁寧なステッチや細部の仕上げなど、品質と仕上がりの美しさは日本の靴職人ならでは。丈夫ですから、長く履くことができ、革靴のように味わいが増していくのも特長です」
実際に履いてみた。足全体が包み込まれるような感覚が心地いい。そして見た目からは思いもよらない軽さに驚かされる。歩くとソールがしっかりと地面を捉え、クッション性も抜群だ。
では、これほどまでにものづくりにこだわりながら、なぜ、ブランドを主張しないのか? 「世の中にあふれているスニーカーって、ひと目でブランドがわかるものばかり。じゃあ、中には、ユニフォームのような匿名性の高いスニーカーがあったら面白いんじゃないか、って思ったんです。こうしたスニーカーってなかなかなくて、逆に新鮮さを感じてもらえているようです。それに主張しないデザインは合わせる服も選びません。 実際、ご愛用いただいているスタイリストさんやショップのバイヤーさんからも、『着こなしにとり入れやすい』という声を多くいただいています。ブランドの透明性を大切にして、お客様に判断していただきたいからです」 すでにアジアを中心に海外でも販売されていて、今年はフランスでもお披露目されるという。
ブランド名の由来は、絶えることなくエネルギーを生み出し続ける「SUN(太陽)」と、その源となる太陽の「CORE(核)」を組み合わせた造語から。人間の両足こそがエネルギーの原動力となるという考えから生まれたブランド名だという。 ただ、よく見ると、「CORE」の「C」には点がついている。これは「C」ではなく、温度表記の記号である「℃」なのだ。 理由はほかでもない。SUN℃OREの一足一足に、作り手のあふれんばかりの熱量が込められているからだ。