三菱のSUV、アウトランダーPHEVが大幅マイチェン 新型バッテリーで性能を大幅に進化
新開発のヤマハ製オーディオを採用
現行型からプラグイン・ハイブリッド(PHEV)に特化された三菱アウトランダーが、2024年10月9日にビッグ・マイナーチェンジを実施。10月31日から販売が開始される。新型は、EVでの航続距離の伸張や動力性能の向上、ヤマハと共同開発したオーディオ・システムの採用など、商品力の大幅なアップデートが図られた。 【写真85枚】バッテリーの刷新、モーターの出力アップ、シャシーのブラッシュアップなど、見た目はそれほど変わらないけど、マイナーチェンジで中身が大きく新開した新型「三菱アウトランダー」の詳細画像をチェック ◆EV航続距離、システム出力ともに向上 EV航続距離の伸張、最高出力や燃費向上などに寄与しているのがリチウムイオン・バッテリーの刷新だ。新型バッテリーの容量は約10%増の22.7kWh。このバッテリーを搭載するために床下の構造まで変更するという大がかりな変更を行っている。これにより、(WLTCモードのEV航続距離は「M」グレードで87kmから106km、そのほかのグレードは83kmから102kmへと約20km長くなっている。 PHEVのパワートレインは、エンジンの出力に変更はないが、モーターの出力を高めることで、システム総合出力が約20%向上。加速がこれまで以上にスムーズかつ鋭くなった。また、エンジン始動頻度が少なくなることで静粛性の向上も図られている。また、モーター・トルク特性をマイルドにすることで、車両挙動が安定し、快適性も引き上げられた。 ◆走行および空気抵抗も低減 速度やエンジンなどの状況に応じて自動的に開閉するグリル・シャッターがフロント・バンパー・グリル内に配置されたほか、床下のアンダー・カバーやリア・バンパーの形状を見直すことで、空力性能も向上。 走行抵抗の低減やPHEVシステムなどの効率化により、ハイブリッド時の燃料消費率(WLTCモード)も「M」で従来の16.6から17.6km/リッターに、ほかのグレードも16.2から17.2km/リッターへと向上している。 また、駆動用バッテリーの容量拡大に合わせ、充電速度も向上。急速充電では、80%までの充電時間を約32分へと6分短縮した。普通充電(AC200V/15A)は前モデルと同じ約7.5時間で満充電となる。 ◆操縦性能も見直す 操縦性能では、サスペンション・チューニングが見直され、新開発タイヤの採用と併せて路面からの振動を低減。電動パワーステアリングのアシスト力の最適化や、駆動力や制動力を用いて車両の動きをコントロールする「S-AWC」制御の見直しにより、旋回中の安定性を向上。上質な乗り味と高い操縦安定性を両立している。 ◆フロントまわりを中心に小変更 外観もリフレッシュされた。フロントのアッパー・グリルがスムーズな造形になり、質感向上に寄与。前後のスキッド・プレートは、立体的なデザインになり、カラーが「チタニウムグレー」に変更された。また、テールライトがスモーク・タイプとなりT字型のデザインを強調。同時に、ターンランプ、バックランプのLED化も盛り込まれた。 足元では、 20インチと18インチともにアルミホイールをより上質感と力強さを表現した新デザインに変更。ボディ・カラーには、人気のソリッド色調グレーの「ムーンストーングレーメタリック」を設定。光の当たり方によりブルーのハイライトが映り、特別な雰囲気を漂わせる。 ◆快適性や利便性もアップ 内装では、最上級仕様のセミアニリン・レザーシートのデザインが変更されたほか、シートやインパネなどに新色の「ブリックブラウン」が採用され、モダンでラグジュアリーな仕立てになっている。 装備面では、スマホ連携ナビが9インチから12.3インチに大型化。コネクティッド機能の「MITSUBISHI CONNECT」の機能拡充により、ナビ上でGoogleによる目的地検索の「Places API」、ストリートビュー、航空写真ビューを見ることが可能になった。 また、前席両側に身体とシート間の熱こもりを防ぎ、快適なドライブに貢献するシート・ベンチレーションや、常に優れた後方視界を提供するフレームレス・タイプのデジタル・ルームミラーなどが採用され、快適性や利便性が高まっている。 ◆クリアで高い解像度とリアルな音 装備面でのハイライトはヤマハと三菱が共同で専用開発したオーディオ・システム「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」(ダイナミック・サウンド・ヤマハ・アルティメット)、「Dynamic Sound Yamaha Premium」(ダイナミック・サウンド・ヤマハ プレミアム)の設定だ。 クリアで高い解像度の中高音やリアルな音へのこだわりが追求され、アーティストの息遣いまでも再現。スピーカーが配置されているドア・パネルの隙間を塞いでスピーカー・ボックスの役割を与えるとともに、スピーカー取付部の剛性も向上することで不要なノイズの発生を低減。太く、躍動感のある低音を実現に寄与している。 ◆12個のスピーカーとデュアルアンプを搭載 最上級グレード「Pエクスクルーシブ・パッケージ」に採用のアルティメットには、計12個のスピーカーとデュアルアンプの搭載に加え、車速に応じて音量や音質を自動調整し、ロードノイズの影響を低減するサウンド補正機能も備わり、走行条件を問わず常に最高の音楽体験が得られる。 また、「P」、「G」、「M」グレードに採用されるプレミアでは、リアに搭載されたウーファーの同軸上にツイーターが配置されたコアキシャル・スピーカーをはじめ、計8個のスピーカーを搭載。これにより高音から低音まで幅広い音域表現を実現している。 新型アウトランダーPHEVの価格は、526万3500~668万5800円となっている。 文=塚田勝弘 (ENGINE WEBオリジナル)
ENGINE編集部