「乳がん検診は痛い!」という人の新たな選択肢“3Dマンモ”とは?【更年期女性の医療知識アップデート講座】
乳がんにかかる人も、亡くなる人も増えている日本。それなのに検診受診率は上がってこない。女性からの「マンモグラフィが痛いから行きたくない」という声に応えた、3Dマンモグラフィが広がりつつある。高濃度乳房の人にも有効といわれる3Dマンモとは、どんな検診法なのだろうか。
乳がんが増えているのに、検診受診率が上がらない日本
1年間に9万人を超える女性が新たに乳がんと診断され、毎年約1万6000人の女性が乳がんで亡くなっている*1。もともと欧米に多く、日本には少ないがんだったのに、近年の罹患割合はアメリカでは8人に1人、日本も9人に1人とほぼ同じ割合に。さらに、注目しなくてはならないのが死亡率だ。 *1 がん情報サービス 2020年、2022年 乳がんによる死亡率が高いアメリカでは、国を挙げてピンクリボン運動などの乳がんに対する啓発と、マンモグラフィを用いた集団検診を推進。50歳以上の乳がん死亡率が20~25%減少した。 しかし、日本は残念ながら、乳がんに対する関心や知識がアメリカほど浸透していない。アメリカの検診受診率は約77%。日本は、いまだ約45%だ。そのため、日本の乳がん死亡率は、まだ増え続けている。
マンモが痛いから検診に行かない⁉
日本の検診受診率が上がらない理由は、いくつもある。「忙しくて行けない」「費用が負担」など、国や自治体の検診のシステムが、女性たちのライフスタイルに合っていないことも大きいだろう。 さらに、「マンモグラフィが痛いから行かない」なども、常に行かない理由の上位にあがってくる。
確かに、透明なプラスチック版で挟まれるのは、痛いものだ。余談だが、マンモグラフィ検診を受ける前に、胸まわりの筋膜リリースをしてこりをほぐしておくと、「マンモの痛みが減った」「痛くなくなった」という声があるので、試してみて。 そんななか、「痛い!」という女性の声を反映した、痛くないといわれる検査機器が登場している。 なかでも、検査時の乳房の痛みがかなり軽減されるといわれているのが、3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)だ。3Dマンモグラフィに比して、従来のマンモグラフィは2Dマンモグラフィと表現される。従来の2Dマンモの大きな欠点でもある、乳腺の密度が濃いタイプの「高濃度乳房」だとしこりがあっても見えないという問題も、3Dマンモならクリアできるといわれている。