【MotoGP】小椋藍を抜擢した敏腕マネージャーに迫る! スズキ&アルピーヌF1経てMotoGPをどう見る?|ダビデ・ブリビオ独占インタビュー
5.スズキに対する想い
──これは、純粋に〈たら・れば〉の質問なのですが、もしもスズキが2022年末で撤退せず、今もMotoGPのパドックに残っていたとしたら、今ごろは他の日本メーカー、ホンダやヤマハと同じように苦戦を強いられていたでしょうか。あるいは、ドゥカティ、アプリリア、KTMのヨーロッパ勢と互角に戦っていたと思いますか? 「いい質問ですね。じつは私もときどき、ふとそんなことを考えるときがあるんですよ。でも、きっとホンダやヤマハよりも善戦していたんじゃないかと思います。というのも、今のホンダやヤマハが努力していることを、スズキはすでにその数年前に着手していましたから。ヨーロッパメーカーがサーキットでやっている組織作りを、すでに進めていたんです。2015年から技術者たちを現場へ投入し、その1、2年後には〈パフォーマンスチーム〉を始動させました。だから、レースの現場ではホンダやヤマハよりもスズキは取り組み方が先進的だったんです。もちろんエアロダイナミクスについては改善の余地がまだまだあったと思いますが、それ以外の分野ではかなり互角に戦えていたでしょう。それだけに、スズキが撤退してしまったのは本当に残念です。返すがえすも、惜しいですね……」
西村章