【MotoGP】小椋藍を抜擢した敏腕マネージャーに迫る! スズキ&アルピーヌF1経てMotoGPをどう見る?|ダビデ・ブリビオ独占インタビュー
4.新加入!小椋藍にかける期待
──来シーズンは、トラックハウス・レーシングに小椋藍選手が加入します。デビューシーズンはどのくらいの成績を期待しますか? 「もちろん期待はしていますが、ルーキーシーズンには学ぶべきことがたくさんあります。MotoGPそのものへの理解やアプリリアのMotoGPバイクの乗り方、セットアップの進め方やピット作業、技術者たちとのコミュニケーション等々……、なにもかもがMoto2とは違います。肉体的にも苛酷なので今まで以上のトレーニングも必要で、近年のMotoGPで大きな発展を遂げているエアロダイナミクスもMoto2にはない技術で、ライディングの習得が必要です。 というふうに、学ぶべきことがじつにたくさんあるので、最初の年は学校に通うような感覚で、まずはMotoGPのライディングを楽しんでもらいたいと思います」 ──小椋選手は現在、Moto2でランキング首位につけています。チャンピオンを獲得すると思いますか? 「それはもちろん、獲ってほしいですね。この調子で行けば、可能性も充分にあると思います。ただ、シーズンはまだ5戦もあって何があっても不思議ではないので、集中力を切らさずにしっかりと戦っていくことが大切です。ただ、私が言うまでもなく高い集中力を維持して戦っていると思うので、シーズン最終戦バレンシアGP後の月曜日から、MotoGPについて彼と一緒に話をしていくことになるでしょうね」 ──ブリビオさんは覚えていないかもしれませんが、スズキMotoGP時代にチーム運営の展望について話を伺ったとき、「時間はかかるけれども若いライダーを育成して強いチームに仕立てていく」と話していました。そして2020年に見事に達成したわけですが、今のチームでもラウル・フェルナンデス選手と小椋選手というラインナップで同じビジョンを持っているのでしょうか。 「ラウルは来年24歳(2000年10月生まれ)で、4年目のMotoGPシーズンを迎えます。次世代を担うライダーのひとりですね。藍はラウルより1年若く(2001年1月生まれ)、来シーズンからルーキーとして参戦します。ふたりの若い選手たちが成長し、やがてMotoGPのトップライダーとして活躍してくれることを我々は楽しみにしています。そして先ほども言ったように、インディペンデントチームの力がファクトリーとますます拮抗するようになれば、選手たちはさらに成長してくれるでしょう。そうやってライバルたちと互角に戦えるようなチームになりたいと思います」