昨年、都内で「現金の落とし物」が過去最高の「44億円」だったそうですが、お金をひろって受け取る場合には「税金がかかる」って本当ですか?
現金などを拾って警察署に届けた場合、どのような条件でそのお金を受け取れるのかが気になる方もいるでしょう。また、受け取った金額に対して税金がかかるかどうかも関心を持っている人は多いはずです。 本記事では、現金などを拾って警察署に届けた際の受け取り条件と、税金の有無について詳しく解説します。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
3ヶ月以内に遺失者が判明しない場合、現金を受け取る権利がある
落とし物や忘れ物の取り扱いについては、「遺失物法」で定められています。財布や現金などの落とし物や忘れ物を拾って警察署や交番に届けた場合、3ヶ月以内に遺失者が判明しないと、拾得者は落とし物や忘れ物を自分のものとして受け取る権利があります。 例えば、100万円が入った財布を拾って警察に届け、3ヶ月を経過しても遺失者(落とし物の持ち主)が判明しなかった場合、その100万円は拾得者のものです。 警察から遺失者に落とし物を返還する旨の連絡がなかった場合は、拾得物件預り書に記載された期間内(2ヶ月)に警察署に連絡して受け取りに行きます。 2ヶ月の期限を過ぎると、落とし物の所有権は拾得者から都道府県に帰属するので注意が必要です。 ただし、クレジットカードや携帯電話など、個人情報が含まれる物の所有権は、たとえ3ヶ月以内に遺失者が判明しなくても、拾得者が得ることはできません。 ■落とし物の届け出は場所によって期限が異なる 拾得者が落とし物に関する権利を得るには、落とし物を拾ってから一定期間内に警察署や施設に届け出る必要があります。具体的な期限は、以下のとおりです。 ・お店などの施設で拾った場合:24時間以内に施設に届け出が必要(遺失物法34条3号) ・路上など施設外で拾った場合:1週間以内に警察署等に届け出が必要(遺失物法34条2号) 落とし物を拾ったら、できるだけ早く警察署や施設に届け出るようにしましょう。 ■遺失者が判明した場合にも報労金を請求する権利がある 落とし物を届けてから3ヶ月以内に遺失者が判明した場合、拾得者は遺失者に対して報労金を請求できます。請求できる額は、落とし物の価値の5~20%の範囲内で遺失者と拾得者間で話し合って決められます。ただし、施設で拾った場合は、報労金は施設と折半になるため、拾得者が請求できるのは落とし物の価値の2.5~10%となります。