約15万円でジェフ・クーンズのスタジオを見学できる! NPO法人がチャリティーセールを開催
ファイン・プリント・ディーラーズ協会基金が、ジェフ・クーンズ、マリリン・ミンターなど著名なアーティストを含めた11人のスタジオ訪問をチャリティ・セールする。同基金は、国際ファイン・プリント・ディーラーズ協会(IFPDA)が毎年開催する版画メディアに特化したアートフェア、IFPDAプリントフェアを支援する非営利団体。 技術が発達し便利になった反面、外に出て体験することがますます重要視されるようになった現代において、ほとんどの人が記事やインターネット検索でしか知らないアトリエへの訪問を販売することは、資金調達のための斬新なアイデアだ。 IFPDAとIFPDAプリントフェアのエグゼクティブ・ディレクターであるジェニー・ギブスがUS版ARTnewsの取材に語ったところによると、このセールはインディペンデント・キュレーターで出版社のシャロン・コプランの協力があったという。コプランはこれまで、メトロポリタン美術館の150周年記念のために制作した版画シリーズなど非営利団体のためのプロジェクト開発で素晴らしい実績を持っており、ギブスがその腕を買って招いた。そして基金の話し合いをする中で、ギャラリーやアーティストにオークション用の作品を寄付してもらう代わりに、アーティストにスタジオ訪問をお願いするという、全く新しいアイデアを思いついたという。 今回協力したアーティストは、キャサリン・ブラッドフォード、レオナルド・ドリュー、ジェフリー・ギブソン、ラシッド・ジョンソン、ジェフ・クーンズ、ヴェラ・ラッター、ジョエル・メスラー、マリリン・ミンター、ツチャバララ・セルフ、ジョエル・シャピロ、ミカリーン・トーマスを含む、ニューヨークを拠点とする11人だ。スタジオ訪問はアーティスト1人につき5人限定で、参加料は1人1000ドル(約15万円)。 コプランによると、計画はスムーズに進んだという。というのも、協力するアーティストたちはすでにIFPDAプリントフェアに作品を出品しており、IFPDAと関わりがあったからだ。ギブスはアートネットの取材に対して「アーティストたちは版画の制作や収集を愛しています。例えば、ジェフ・クーンズはオールドマスター版画の熱心なコレクターです。このラインナップは、多くの一流アーティストたちが版画や版画制作を愛するあまり、彼らの最も貴重な資源である時間を割いてまで、版画制作について語りたいことの証です」と語った。 この販売による収益は、芸術媒体としての版画の認識と理解を促進するためのキュレーター・インターンシップ、リサーチ、展覧会を支援するIFPDA財団の助成金プログラムや、歴史的に黒人の多いカレッジや大学の学生を対象としたギャラリーや版画制作のインターンシップに役立てられる。 チケットは11月9日から11月19日まで販売されるが、先着順なので希望の方はお早めに。
ARTnews JAPAN