タイトル逃したホンダ・シビック陣営。100号車STANLEY牧野「36号車auは自分たちより上のレベルにいる」/スーパーGT最終戦鈴鹿予選
スーパーGT今季最終戦の第5戦鈴鹿、ランキングトップで迎えた36号車au TOM'S GR Supraが予選でポールポジションを獲得し、チャンピオンを争っていた100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTは予選5番手となったことで、予選ポイントを獲得した36号車au TOM'Sがチャンピオンを決める結果となった。前回の第8戦モビリティリゾートもてぎでのニッサン陣営に続き、ホンダ陣営としても予選でタイトルの可能性を失ってしまった鈴鹿の予選。100号車の牧野任祐とホンダ首脳陣に聞いた。 【写真】ランキング2位で最終戦の鈴鹿を迎えた100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT 「正直、チャンピオン争いのことは考えていませんでした。ただ、Q1の時点で36号車が前に(3番手で)出ていたので、その順位は見ていましたけど、そこまで特に何かを考えてアタックしたとかはなかったですね。とりあえず、ベストを出そうという気持ちだけでした」 100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTの牧野は、予選Q2に臨む心境を振り返った。100号車STANLEYは予選Q1を担当した山本尚貴が5番手タイムをマークしていたものの、36号車auの山下健太は3番手タイムを記録。Q2を担当する牧野は、タイトルの可能性を残すためには、是が非でも36号車のQ2担当、坪井翔のタイムを上回らなければいけない状況だった。 「アタック自体は大きなミスもなくて、うまくまとまったというか、それなりのラップだったと思います。ただ、周りがそれよりも速かったなと。クルマも朝からちょっと問題があったところもあったのですけど、それ以外は悪くなかったですし、それなりに手応えもありました」 「それでも同じシビックでも、17号車(Astemo CIVIC TYPE R-GT)と比べても100号車はどのセクターでも満遍なく遅くて、選んでいるタイヤの違いとかもあったりする。正直、どちらかというとうちはロングよりかなと思っています。それでもポールを獲らないといけない状況だったと思うので、もうちょっと前には行きたかったですね。5番手、当然満足はしていないですね」 チャンピオンを逃した悔しさがありつつ、牧野も36号車のパフォーマンスを認める。 「36号車はやっぱり、トータルパフォーマンスが高いですよね。本当に強いという印象です。今回の予選もそうですし、前回のもてぎの内容と結果も、それを物語っていたと思うので。自分たちもシーズンを通してあまり取りこぼしなくやれている方だと思うのですけど、それよりも上のレベルにいるのかなと思います」 ホンダ陣営を統括する佐伯昌浩スーパーGTプロジェクトリーダーも、36号車のチャンピオンを讃えた。 「今年の36号車を見ていると失敗もしなくて安定していて、年間を通して目指すところのチームだったなと感じています。チャンピオンを獲って当然の1年間の戦い方だったと我々も考えています。我々もそこを目指して、チーム作りも含めて進めていかないといけない」 「シビックにクルマが変わって1年目でバタバタしたシーズンではあったものの、各サーキットでポイント、ポイントではしっかりと速さを見せられているので、大きく苦手なサーキットがないというところがシビックの特徴だなと思っています。今年の結果、今年のデータを元に、来年は36号車のようなミスのない、しっかりと戦えるチームを作っていって、チャンピオンを目指して頑張ります」 予選でチャンピオンが決まったとはいえ、まだ決勝レースが残っている。牧野も今季最後のレースに期待をかける。 「今回はタイヤのウォームアップは結構、気を遣っていますね。やっぱり路温がこれだけ低い中で、朝のフリー走行を見ていてもGT300は大変そうでしたので(リヤタイヤのバーストなどが起きた)、レースも結構、荒れるんじゃないかなと思います。アウトラップも気をつけたいですね。チャンピオンシップは決まっちゃいましたけど、優勝だけを目指して、いい一年の締めくくりができればなと思います。頑張ります」 今季デビューしたシビック・タイプR-GTの最終戦、ホンダのホームである鈴鹿でどんなパフォーマンスを見せることができるだろうか。 [オートスポーツweb 2024年12月07日]