大好きだけど、ここが変だよ、日本のイタリアン!
(2)同じ皿に魚とお肉は一緒に載せない
続いては、ピッツァから魚とお肉の話題へ。日本では同じお皿に魚とお肉が乗っているようなワンプレートがあるよね? これはイタリアではあまりしない。魚は魚だけ、お肉はお肉だけという感覚だ。野菜がついてもいいけど、魚とお肉は一緒にしない。
(3)山のものと海のものは一緒にしない
そして、もう一つは山のものと海のものを一緒にしないこと。例えば、アサリのパスタソースにキノコを入れない。なぜかというと、離れている場所の食材を一緒にするという考えがないからだ。味が合わなくなってしまうし、食感もなんだか違う気がする。要するに、居たたまれなくなってしまうのだ。
(4)魚介のパスタソースに粉チーズはかけない
イタリアでは絶対にしないもう一つのことは、「魚を使ったパスタソースに粉チーズをかけない」だ。もしかけようとすると変な顔で見られる。「何してんの? やめて?」と言われる可能も高い。実は一時帰国の時にペスカトーレ(海の幸)のパスタにわざとチーズをかけようとしたら、驚いた母親の目が飛んできそうなほどだった。
(5)ハムとチーズはパンと一緒に
イタリアではハムとサラミ、チーズを食べる時には必ずパンと一緒だ。そうしないと、僕も含めて、「勿体無い! そうじゃない、もっと美味しい食べ方があるのよ‼」と言いたくなる。だから、とにかく家庭でもパニーニの種類が多くて食卓には必ずパンがついてくる。たんぱく質はハード系のパンで食べないとね。ただ食べるだけじゃダメなんだ。それぞれの味と食感が絡み合って、イタリア人のアモーレ(愛)の元になるのよ。
(6)ナポリタンは悪魔のパスタ?
ここから段々と、イタリア人が苦しめられるパスタの話になる。ナポリに存在しない「ナポリタン」はイタリア人にとって悪魔のようだ。イタリア人のなかには、「トマトを使わずにケチャップを使うなんて、失礼だ!」と思っている人が多い。イタリア人がパスタにケチャップを使ってはいけないと思っている理由は、いくつかあるよ。 まずはケチャップと言えばジャンクフードやフライポテトにしか使わない、という感覚なんだ。パスタはジャンクフードではないから、ケチャップは合わないというわけ。そして、一番の理由はケチャップの甘さだ! デザート以外の甘さにうるさい国民性ってこと。「そんなことないでしょ!」と疑っている方は、ぜひイタリアでパスタやピッツァにケチャップをかけてみてほしい。おそらくイタリア人がすっ飛んできて、食事どころではなくなるだろう。