ルヴァン杯王者・名古屋グランパス、『ビッグマッチ直後の試合は危険』 同じ轍踏まず…負けずにJ1残留確定
◇9日 J1第36節 鹿島0―0名古屋(カシマスタジアム) 名古屋グランパスは、4試合ぶり無失点で連敗を3でストップした。後半12分に鹿島のFW鈴木優磨が退場するも、無得点。勝ち点は47とし、J1残留を確定させた。 勝てなかったが、負けなかった。グランパスは今季のルヴァン杯王者として臨んだ初陣で、J1優勝の可能性をわずかに残す鹿島とスコアレスドローで、J1残留を確定。後半に退場者が出て1人少なくなった相手を攻略できなかったが、敵地で来季につながる勝ち点1を手にした。 「タイトル取った次の試合は難しい展開になる」。試合前のミーティングで長谷川監督は選手たちにそう警鐘を鳴らした。苦い思い出がある。1―4で敗れた9月14日のFC東京戦。直前にあった広島とのルヴァン杯準々決勝第2戦をPK戦の末に劇的勝利もチームには自信だけでなく、満足感による”緩み”もまん延した。「ビッグマッチ直後の試合は危険」。チーム全体で共有した。 ルヴァン杯決勝もPK戦での劇勝。同じ過ちは繰り返せない。勝ち気にはやる気持ちを抑え、負けない戦いに徹して勝機を探った。得点機は乏しかったが、野上は身をていしてシュートを防ぎ、三国も危険なクロスに鋭く反応してクリア。土台の守備で集中力を切らさず、稲垣は「体も戻りきっていない中での戦い方はできた。間違いなくチームは進んでいる」と手応えを口にした。 鹿島には今季開幕戦で0―3と完敗し、開幕3連敗と出遅れた。序盤の苦境のきっかけとなった相手に、シーズン終盤となったこの日はゴールを割らせなかった。圧倒的な走力で攻守でピッチを駆けた稲垣は「そこは分かりやすく今年の進歩として見えるところ。戦い方の引き出しが一つ増えたのは今後につながる」。引き分けにも収穫を手にした様子で前を向いた。
中日スポーツ