「巨人・重信は悪くない」…阪神・藤川球児の最後の対戦打者の二飛を巡って公式戦の引退試合是非論までが再燃
阪神ファンは、「三振するべき」、「空気を読め」、「KYな重信にゲンナリ」と怒り、一方で「重信は悪くない。彼を非難するのはおかしい」、「引退試合で三振の暗黙了解はもう古い」、「真剣勝負する方が礼儀」、「三振する方が失礼」、「重信も日本シリーズの出場とレギュラー取りに必死なんだから打つのは当然」などの反論の声が阪神ファンの側からも多く寄せられた。 一時的に、Yahoo!リアルタイム検索のトレンドで「藤川」と共に「重信」の名前がランキング上位に急浮上するほどだった。 引退試合で賛否を呼ぶ“KY事件”は、何もこれが初めてではない。 現阪神のエース、西勇輝がオリックス時代にソフトバンク、小久保裕紀の引退試合でノーヒットノーランを達成したこともあり、横浜DeNAの次期監督として最有力の“番長”こと三浦大輔は、引退試合のヤクルト戦で、打ち込まれ10失点した。特に横浜時代の村田修一は、引退試合の”壊し屋”として有名で、広島現監督の佐々岡真司の引退試合では、9回二死から打者一人だけの登板となった佐々岡から本塁打を打った。また阪神現監督の矢野燿大の引退試合でも、9回二死からリードしている状況に限って出場するという予定になっていたところで、藤川から逆転3ランを放ち、出場機会をぶち壊した。 いずれも真剣勝負の公式戦ゆえに起こりうる事件で、今回の重信のセカンドフライを巡るネット上の騒動は、公式戦での引退試合の是非論にまで発展した。 「公式戦で引退試合をするから、こういうくだらない賛否が起きる」、「真剣勝負での引退試合は疑問」、「公式戦を興行にしてどうする」などの意見だ。 球団サイドからすれば、公式戦に起用し、そこで引退セレモニーを行うことにビジネス的な側面があるのも事実。チケットだけでなく、複数の記念グッズの売り上げ、スポンサーの協力などもあり、加えて引退選手にできる限り立派な花道を用意したいとの配慮もある。 ファンが何を求めているか、を考慮すれば、本拠地の最終戦、あるいは、今回のような、その前の公式戦を使った引退試合の伝統を継承することは悪くないだろう。ただ真剣勝負に水を差さないように、その起用方法には、なんらかの工夫は必要なのかもしれない。