「絵本作家になって世界中を笑顔に」夢のバトン、娘から受け継ぐ大西優子さん TOKYOまち・ひと物語
優子さんは和花さんの渾身の作について、「読むと、落ち込んだ気持ちも前向きになれる。大丈夫、できると思えるようになる」と話す。
■英語版も完成し出版
わが子の絵本に励まされながら、優子さんは歩みを止めなかった。「絵本作家になって、世界中の人を笑顔にしたい」。和花さんの夢を受け継ぎ、絵本を世界へ届けるべく、スタッフと英語版の完成を目指した。
『ビーズのおともだち』の英語版は『My Precious Beads(わたしの大切なビーズ)』として、5年9月に出版された。魔法の言葉「がんばりパワー!」は「Believe and Be Brave!」と訳された。
現在、優子さんは日本各地のイベントに絵本を出展しているほか、カフェの商品と和花さんのイラストを融合させる開発も手掛けている。「和花が残してくれた絵本を通した新しい出会いが私の生きがい」。和花さんの絵本が優子さんの活動の原動力となっている。
そして、優子さんには新たな目標ができた。和花さんの貴重な経験を道徳の教科書に取り上げてもらうこと。「和花の人生の『夢を見る心や諦めない心』を、未来の大人たちに知ってもらいたい」と夢を膨らませた(塚脇亮太)