ニトリ、メルカリも 企業が支援する給付型奨学金が増加 1.6万種類から、もらえるものを探す方法は?
大学生の2人に1人が利用している奨学金制度。貸与型が知られていますが、返済不要の給付型も少なくありません。どんなものがあるのか、奨学金に詳しい方々に聞きました。給付型奨学金への申し込み方や採用されるポイント、注意点などを紹介します。 【データ】奨学金の給付元、割合は?
大学の学費や生活費をまかなうために、大きな助けとなるのが奨学金です。奨学金というとお金を借りる「貸与型」をイメージする人が多いかもしれませんが、返済不要の給付型や、特待生や学業成績優秀者、学費の支払いが経済的に困難な家庭を対象とした学費減免制度などもあります。 日本学生支援機構(JASSO)の調査によると、奨学金は現在、約半数の学生が受け取っています。日本の給与水準が上がらない一方で、大学の授業料は増額傾向にあり、少子化にもかかわらず、奨学金受給者の数は増加傾向にあります。 国内の奨学金情報を検索できるウェブサイト「ガクシー」のマーケティング責任者、大工原靖宜さんは、「日本学生支援機構以外の奨学金制度については、知らない学生や保護者がほとんどです」と話します。 「実際には3千を超える団体が、約1万6千種類の奨学金制度を設けています。また、財団や企業が提供する給付型の奨学金には、所得制限がないものや、対象人数が多くて金額も大きいものが少なくありません」 例えば、キーエンス財団の給付型奨学金は約600人が対象です。他の給付型奨学金との併用はできませんが、所得制限はなく、採用されれば月10万円を4年間、総額480万円の給付を受けられます。 DAISO財団も、返済不要の奨学金を提供しています。他の給付型との併用が認められており、50人程度を対象に、月5万円、総額240万円が支給されます。
ネットから応募できる奨学金もある
特定の分野や活動に力を入れている学生を支援する奨学金もあります。 例えば奨学金アドバイザーの久米忠史さんが注目しているのは、似鳥(ニトリ)国際奨学財団による給付型奨学金です。「応募条件に家計状況や成績などの目安はありますが、給付額は月額5万円。アルバイトをしていることが給付条件の一つというユニークな奨学金です。アルバイトで社会性を身につけてほしいという、企業からのメッセージでしょう」 コカ・コーラ教育・環境財団が大学進学予定の高校生を対象に授与している奨学金は、2025年度は環境などのサスティナビリティー(持続可能性)に関心を持っていることが条件です。給付額は月2万円と大きくはありませんが、他の給付型と併用可能です。 メルカリの創業者が創設した山田進太郎D&I財団によるSTEM(理系)女子奨学助成金は、STEM分野への大学進学を考えている高校1、2年生を対象としています。24年にはソニーグループも、理工系及びそれに準ずる学部学科を専攻する女子大学生を支援する給付型奨学金をスタートしています。 ほかにもさまざまな給付型奨学金があり、探せば条件に当てはまるものがありそうです。ネットで申請できる奨学金も増えており、ガクシーなど検索から申請までができるサイトもあります。まずは探して、気軽に応募してみるといいでしょう。