“運命の人”との出会いはどこで? コロナ禍の恋愛・婚活事情
「婚姻」「出生」ともに減か
実際に、新型コロナウイルスは結婚にどのような影響を与えるのでしょうか。 第一生命経済研究所の首席エコノミストの熊野英生さんは、「外出自粛やイベント・集会自粛で若者の出会いの場は減りました。新型コロナウイルスが与える影響、いわゆる『コロナショック』は婚姻減をもたらし、そのことが出生数の押し下げにもつながるでしょう」と予測します。 厚生労働省の人口動態統計月報によると、2020年1~6月の婚姻数は26万3816組で、前年同期の30万7604組より14.2%減っています。 若者の雇用環境の悪化についても熊野さんは懸念します。「新型コロナによって、アルバイトなど非正規労働者の雇用環境が悪化しました。こうした層には若者が多いのです。今後しばらくは人員余剰の状態が続き、この先時給の上昇も望めず、若者の所得減が進む恐れもあります。そうなると、若者の婚姻数や出生数を下押しすることになるでしょう」 こうした課題を改善するための方策として、熊野さんが第一に挙げたのは若者の雇用の安定化です。「政府が旗を振って対策を検討し、実施してほしい。また、家賃補助の拡充など暮らしの負担を減らす施策の展開も期待されます」と提案しています。 (取材・文:具志堅浩二)