世界遺産登録から4年 なのに知られていない!? 函館の縄文遺跡の魅力と課題 「縄文レストラン」って何だ?
HTB北海道ニュース
函館市中心部から車でおよそ1時間。 前田愛奈記者:「ここが大船遺跡です。竪穴住居がいくつか並んでいます。目の前にある住居の跡はすごく大きいです」。 南茅部地区にある大船遺跡。今からおよそ5500年前、縄文時代中期の集落の跡です。100棟を超える建物の跡が残っていて、このうち6つの住居が復元されています。
2021年7月、世界遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」。17の遺跡から構成されていて、このうち6カ所が北海道にあります。函館市内には、「大船遺跡」と「垣ノ島遺跡」の2カ所。北海道唯一の世界文化遺産です。ただ、問題なのは、その知名度。 記者:「函館に世界遺産があることを、知っていますか?」 観光客:「知らなかった、知ってた?」「知らない」「五稜郭?違う?」「世界遺産か、分からないな」。 函館の世界遺産は、なぜ知られていないのか。その魅力と課題とは。
前田記者:「お邪魔します。思ったより広いですね」。 大船遺跡の竪穴住居。ガイドを頼めば、中に入ることもできます。見学は無料です。ここに、4人から6人の家族が生活していたと考えられています。 前田記者:「4、5人が寝るスペースって?」。 大船遺跡ガイド・大宮トシ子さん:「縄文時代の人たちは、今みたいに足を延ばして寝ずに、横になって膝を曲げた状態で寝ていたんじゃないかって」。 前田記者:「こうやって寝ていたってことですか?」
住居の中には3つの穴が。1つ目は祭壇の跡。2つ目は囲炉裏の跡。そして3つ目の穴はというと…。 大宮さん:「土の成分を分析した結果、人の胎盤にしか含まれていない成分が見つかっているんですね。生まれてきた子どもの健康を願うということで、ここに埋めて土をかぶせて、大事に守っていたというふうに考えられています」。 住居の外に植えられているクリの木。縄文人を知る上で重要なヒントが隠されていました。 大宮さん:「元々、北海道にはクリの木が自生していなかった。本州の方から持ち込まれてきたものを植樹して、実は食料として、木は材料として使われていたということが分かっています」。 前田記者:「うっすらと青森県、本州が見えています。縄文時代の人たちは、この大きな津軽海峡を船で渡っていたんです」。 「縄文人は海を渡っていた」。その証拠が、函館市縄文文化交流センターにあります。