「子どもたちに毎日ゲームの時間を注意するのが超ストレス! どうしたらいいかわからない」俳優・加藤貴子が専門家に聞く
9歳と7歳の2人の男の子を育てる、俳優の加藤貴子さん。近ごろ、息子たちのゲームやネット動画について頭を悩ませることが多いのだとか。加藤さんが育児にかかわる悩みや気になることについて専門家に聞く連載第25回は、ネット依存専門心理師で、2児の母親でもある森山沙耶先生に「子どもとゲーム・ネットとのつき合い方」について聞きました。 【画像】46歳で出産、加藤貴子さん
親子で決めたゲームのルールがなかなか守れない息子たち
加藤さん(以下敬称略) 今小学4年生の長男は、1年生の冬にもらったお年玉でNintendo Switch(携帯ゲーム機)を買ってゲームで遊び始め、3年生くらいからオンラインシューティングゲームで遊ぶようになりました。ゲームで遊び始めたころにはあまり厳しいルールを作りたくなくて「宿題ややるべきことをやってから遊ぼうね」と話していたんです。 そうしたら、ゲームやYouTube動画視聴の時間がどんどん長くなってしまって。息子たちと話し合って、(1)1時間やったら目を休める(2)終了時間を決めて始める(3)ごはんの時間を優先する(4)食事のときはテレビ(動画)を消す、というルールを作りましたが、なかなか守れていない現状です。毎日「時間だよ!」と同じことを繰り返し注意するのもストレスで…。ネットとゲームの利用について、親子でどんなルール作りをするといいでしょうか。 森山先生(以下敬称略) 最初は厳しいルールは作りたくなかったけれど、いろいろと問題が出てきてしまったから、子どもたちと使い方を話し合ったんですね。親が子どもと話をせずに一方的に禁止したり取り上げてしまうのは問題があると思いますが、加藤さんのように親子で相談することはいいと思います。 加藤 一応ルールを作ったものの、私も一貫性がないんです。長男は毎日2時間以上サッカーの練習をしていて、さらに水泳や英語などの習い事もあるのでけっこう忙しいんです。サッカーの試合が夜までになることもあって、そうすると1日のうちの息抜きがほしいようで「ネット見ながら食べてもいい?」と言われてしまうことも。私は食事のときは動画を見ないで家族との会話や時間を大切にしてほしい、と言いつつも、長男の気持ちもわかります。だから「じゃあしょうがない、今日は特別ね」って言ってしまうんですけど、一貫性がないのって、どうなのかな、これでいいのかな、と悩んでいます。 森山 一貫したスタンスをとるべきかどうか、迷いますよね。加藤さんの場合、「食事の時間は家族の会話を大事にしたいから、ネットを見るのはやめよう」と親の気持ちを伝えていることはとてもいいと思いました。ただ単に「ごはん中はネットはだめだよ」という伝え方では、子どもはなぜだめなのかがわからないし、自分を否定されたように感じてしまうからです。 一方で、長男さんの気持ちもよくわかります。「じゃあ今日は特別ね」と柔軟に対応するのは、見方によっては一貫性がない、ぶれていると思われるかもしれませんが、ルールにこだわりすぎるのも考え物です。ルールそのものが子どもにとって嫌なもの、縛られているもの、と感じるとルールを守ることに反発したり不満を持ったりすることがあるからです。ルールに厳しくこだわりすぎず、ある程度息抜きも必要だよね、とたまにイレギュラーに対応するのは悪くないと思います。