“未開封のカード”を使われるケースも…被害額は過去最悪の540億円超クレジットカード不正利用の実態と対策
トムキャットの担当者: 「名前見てもらうと『絵香』=(ふりがなが)『エコ』になっているんですよ。これで「エコ」って読まないですよね。普通で読むと。『不正でしたよ』という連絡がきて、高額だったりとか、同じ商品をいっぱい買うとか、そういうので気付けなかったのかなというのが反省ですね」
発送した商品は、総額18万円以上にのぼるが、戻ってこないという。 トムキャットの担当者: 「うちとしては送料分と商品代が、弊社負担になってしまう。損害になりますね」 ネット注文では、クレジットカードでの入金確認後、「購入者」の元へ商品を発送する流れだが、不正利用と判明すれば、事業者側が商品の代金と送料を返金することになるうえ、“謎の人物”に発送した商品は返ってくることがないため、販売側にとってはお金と商品の「二重の損失」になるという。
騙されたくはないものの、トムキャットが1カ月に受ける注文は、およそ2000件だ。1つ1つ確認するのは、時間も手間もかかる。 トムキャットの担当者: 「怪しそうな人の場合は、地図上で、ストリートビューとかで住所を確認したりとか。今まで配送先がビルのゴミ捨て場だったりとか、空き地だったりというのもあったんですよ。そういうところで目視で判断というのは限界があると思います」
■大切なのは「やっぱり明細確認」…AI使った不正検知サービスを提供する企業が指摘
不正利用を人間の目で見破るのは難しいが、対策を打ち出し、実績を上げているのが東京都港区の「かっこ」という会社だ。
かっこの担当者: 「エンドユーザー様が注文したタイミングで、0.5秒以内に審査結果を返却して『NGでとっても怪しい注文です』と結果を返すと注文を受け付けなくして買えなくして頂いて不正注文を防ぐ仕組みです」 秘密は、自社で独自に開発した「AI技術」だ。通販サイトでの膨大な注文の中から「不正」を検知し、被害を未然に防いでいるという。 AIによる判定は、不正のリスクが高いとする「NG」、問題なしの「OK」、怪しいと疑われる「REVIEW」(レビュー)の3段階で、実際に「NG」と判定した注文者の情報を見せてもらった。