【闘病】「卵巣がん」 生命を最優先した結果、子宮と卵巣は全摘出を選択
生きているだけで幸せと感じられる。病気を通じて得られた人生の真の喜び
編集部: 闘病生活を送る上で、心の支えになっているものを教えてください。 千田岡さん: 家族、友人、仕事、食、そして日常です。 編集部: 現在の体調や生活などの様子について教えてください。 千田岡さん: 治療から1年後の2021年は、「早く元の自分に戻りたい」の一心であっという間に過ぎましたが、2022年の春あたりから丸一日動けないことが少し続いて、仕事をするのも精一杯、身体はしんどく、体重はどんどん増えていくし、気が抜けてしまって……。 いわゆる更年期障害がひどくなりました。卵巣も子宮も全部ないから、女性として終わっている……みたいな衝動に駆られる時もありましたし、ひとりシクシクと泣くことが増えました。 担当の看護師さんに励ましてもらうこともあって、先生からすすめられて、現在は漢方を服用しています。飲み始めてから半年くらい経ち私にはこのお薬が合っているんだと思います。おかげでこの半年は、元気に日々を過ごすことができています。 編集部: 同じ病気を抱えている人に伝えたいことはありますか? 千田岡さん: 「◯◯さん、子宮取ったんだって~」「◯◯さん、乳がんらしいよ……」といった会話を時々耳にすることがありますし、私自身も病気になる以前はやってしましたが、すごく反省しました。こんな会話が起こらないよう、ひたすら自分の治療を隠して生活していました。 時に言葉は凶器になる時があるなと改めて実感しました。一方で、私は卵巣・子宮がなくても生きてますし、美味しいものを大切な人と食べることが出来る日常が戻ってきました。生きてることこそがラッキーなんです。 編集部: 医療従事者に望むことはありますか? 千田岡さん: 病院の先生や看護師さんのおかげで生きていることに日々感謝しています。日本の医療は素晴らしいですし、敬意と感謝しかありません。 編集部: 最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。 千田岡さん: 出来ることなら病気にならないのがいちばんですよね。ただ、闘病生活を経験したことで周囲の人の思いや優しさに触れ、自分自身とも向き合うことができました。 病気の時って卑屈な気持ちになってしまいがちで、がんばれっていわれるのが唯一つらかったですね。周りの人は、ただ寄り添ってくれればそれだけでうれしいです。