「脊柱管狭窄症による痛みで、長く座れず、買い物も行けなかった女性が夫と遠出も可能になった」70代女性が実践したホームエクササイズのポイントを理学療法士が解説
脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)によるによる腰痛やお尻の痛み、しびれに悩む人は多い。そこで、現役理学療法士の黒木綾乃さんに、脊柱管狭窄症に悩む人に役立つ、自宅でできる簡単なケア方法を教えてもらった。 【画像】理学療法士の黒木綾乃さんが教えてくれた自宅でできる簡単なケア方法をわかりやすい写真でチェック!
教えてくれた人・文
黒木綾乃(くろきあやの)さん/理学療法士・ヨガインストラクター・介護予防運動指導士・パーソナルトレーナー 理学療法士として総合病院や訪問リハビリ、老人保健施設などで経験を積み、その後介護施設の役員も務める。リハビリテーションの豊富な経験を活かし、現在は医療ライターとしても活動中。また、腰痛や肩こりのパーソナルトレーニングも行い、一般の方へのサポートも行う。
日常生活に支障がでるほどつらい脊柱管狭窄症の症状とは
脊柱管狭窄症とは、背骨にある神経の通路である脊柱管が、骨の変形や椎間板、靱帯の突出などにより狭くなる病気です。つらい悩みを和らげるストレッチを実例を交えながら紹介します。 背景:「薬だけでは限界を感じているが、手術は避けたい」 Tさん(70代、女性)は、旦那さんとの二人暮らしを送る主婦です。若い頃から繰り返し腰痛に悩まされてきましたが、ここ数年で症状が悪化。整形外科で脊柱管狭窄症と診断されました。 整形外科では痛み止めが処方されました。しかしTさんのつらい症状は、日々の生活に大きな支障を与えていました。Tさんの状態は手術が有効とされるケースでしたが、「周りで手術がうまくいかなかったという噂を聞いたので、怖くて踏み切れないんです。」とTさん。 しばらくの間は痛み止めなどの薬に頼りながら生活を続けていました。しかし、痛みや不自由さは徐々に増し、TさんのQOL(生活の質)は著しく低下。「何とかしたいけれど、この先を考えると手術はなるべく避けたい…」と悩んでいたTさんが選んだのは、リハビリテーションという選択肢でした。 症状:「30分車に乗るのも痛い。しびれ・ふらつきで歩くことも難しい」 Tさんは脊柱管狭窄症により買い物が困難になっていました。長い時間車に乗るとお尻が痛みだし、スーパーに着いても、少し歩くと神経痛・しびれ・ふらつきで歩き回れない状態。 「30分車に乗るのも痛くて耐えられない。楽しみだった夫との買い物も行けません。デイサービスの送迎車に乗る時間も短くしてもらうようお願いしました」とTさん。 これらの症状は、脊柱管狭窄症により腰の椎間板や脊柱管が圧迫され、血流が不足することで起きる症状と考えられます。