「脊柱管狭窄症による痛みで、長く座れず、買い物も行けなかった女性が夫と遠出も可能になった」70代女性が実践したホームエクササイズのポイントを理学療法士が解説
30分、座れるようになり、 買い物にも行けるように
結果として、セラピストの施術やストレッチの施行から数か月で徐々に血流が改善し、腰痛とお尻の痛みが軽減。以前より長く座れるようになりました。 また、脚とお尻の柔軟性も向上し、腰痛の軽減がみられました。座れる時間が少しずつ延びてきたため、自転車エルゴメーター(固定された自転車のことで、筋の協調性、脚の循環、関節の可動域などの改善が期待されるマシーン)などの有酸素運動やその他の運動も開始。リハビリテーションを通して継続的な運動を行うことで、最終的に20分~30分程車に乗れるようになりました。 日常生活では、近所への買い物が可能になり「楽しみだった主人との買い物も可能になりました」とTさん。脊柱管狭窄症が完治したわけではないものの、デイサービスで定期的な運動を継続し、手術をせずに現在も日常生活を送れています。
まとめ
脊柱管狭窄症による腰痛は、高齢者に多く見られる症状です。痛みやしびれだけでなく、悪化すると歩行障害や排尿障害が出ることもあり、日常生活に大きな影響を及ぼす場合があります。 実際に、症状の悪化から手術や痛み止めなどの対症療法が提案されることが多いですが、高齢者には手術自体のリスクが気になる方も少なくありません。そこで、リハビリテーションやホームエクササイズによって症状が軽減された事例を紹介しました。 ストレッチや適切な運動の継続で、完治は難しくても症状の改善が期待できます。また、普段の活動量が低下している高齢者にとって、運動習慣や適切なセルフケアの継続は症状を軽減するだけではありません。心肺機能の向上や全身体力の向上にとても重要です。 脊柱管狭窄症でお悩みの方は、症状を軽減するための一歩として、自宅でのケアを取り入れてみてはいかがでしょうか? 今回のケア方法は、自宅で簡単に行えるものばかりです。ぜひ実践し、継続してみましょう。