中谷潤人が充実のLAキャンプを終了 3階級王者になった今「さらに上を目指すため」に怠らない自己投資
【キャンプ中に3度作る疲労のピーク】 現地時間9月24日、WBCバンタム級チャンピオンの中谷潤人がLAキャンプを終えた。8月22日に日本を発ち、到着した翌日からトレーニングを開始。1カ月間のキャンプで、4名のパートナーを相手に合計162ラウンドのスパーリングをこなした。10月14日の防衛戦に向け、順調にコンディションを整えている。 【写真】中谷潤人 LAキャンプ密着フォトギャラリー 挑戦者であるタイのタサーナ・サラパットも中谷と同じサウスポーだ。今回のキャンプでは、徹底的に左利きへの対策をしてきた。 キャンプ序盤の8月末には「オーソドックスの相手と拳を交える時には使わない箇所、背中の左側の筋肉が痛くなります」と苦笑いしていた中谷だが、ここにきて「もう痛みはありません。サウスポーに特化した練習を重ね、今後につながるでしょう」と自信たっぷりに話す。 中谷は試合前のキャンプ中、3度は疲労のピークを作る。今回、最初のそれは9月18日に訪れた。練習終了時に座り込んでしまうほど己を追い込んだあと、WBC王者は語った。 「疲れが溜まっています。でも、ここを乗り越えるからこそ、体がキレてくるんです。手もバンバン出るようになります。いつものことなんですよ。試合に向けてこういう時期を味わうことが、とても重要です。 確かに今日は体が疲れているので、思ったような動きができませんでした。でも、世界チャンピオンとして防衛戦を迎えられる幸せを感じる自分がいます。ピークを超えると、回復が早くなるんですよ。試合の1週間前にはキレキレになっています(笑)」 この日は10ラウンドのスパーリングをこなした。7回以降に2人目のパートナーとしてリングに上がったのは、中谷と同じ26歳のサウスポー、ジェシー・マンダパットだった。中谷が中学を卒業後、「世界チャンピオンになる夢」だけを追いかけ、LA修行を始めた頃にスパーリングを重ねた相手である。 マンダパットのプロ戦績は、9勝(5KO)1敗1分。2015年4月に17歳でプロデビューしてから28戦全勝21KO、世界タイトル3階級制覇を果たして日米を問わず脚光を浴びる中谷に対し、マンダパットのプロ初戦は2018年末。両者の差が埋まることは、もはやなさそうだ。