作業効率は人手の15倍…ジェットが開発、コンクリはつり自動化装置の実力
ジェット(福島県郡山市、橋本隆司社長)は、橋や建物内にあるコンクリートのはつり作業を自動化する装置「デストロ―1」を開発、拡販を進めている。建設業界では人がウオータージェット銃を持ってコンクリートを破砕するのが一般的。デストロ―1を使えば人手による作業を装置に置き換えられ、効率化が期待できる。 ジェットは1986年設立。建物の配管修理や清掃を担う。橋本社長は「配管の掃除に用いるウオータージェットについて約40年間のノウハウの蓄積がある。そのノウハウを建設現場に横展開できると考えた」と説明する。 はつり作業は作業者1人につきウオータージェット銃を一つ持ち、コンクリート内の鉄筋を残してコンクリートだけを壊す。ただ、高圧の水をコンクリートに打ち付ける作業のため、水圧に耐えきれず作業者が誤って他の作業者にウオータージェットを当ててしまうなど「毎年のように事故が起きている」(橋本社長)という。 そこでジェットは自社で装置を設計し、大手機械メーカーに製作を依頼してデストロ뗙1を製品化。毎分170リットルの水を供給できる超高圧大水量ポンプとセットで普及を進めている。 デストロ―1による自動運転で作業効率は人手に比べて15倍に高まり、工期を短縮できる。またコンクリート内の鉄筋を残せるため、床版を丸ごと取り換える場合に比べてコストを3分の1以内に抑えられる。 高速道路や国道の作業現場に同装置を使用したところ、「きれいに仕上がっているなど利用者からは好評だった」(小椋克広専務)。デストロ―1と超高圧大水量ポンプの合計価格は消費税抜きで約9000万円。 建設現場の展示会などで利用を促している。販路拡大のため広報・宣伝活動で露出を増やしつつ、施工業者とも業務提携してウオータージェットのノウハウを広く提供する構えだ。