電気・ガス代の料金補助が「8月分」から再開! エアコンを12時間つけっぱなしの場合、電気代はどれだけ安くなる? 補助金「あり・なし」の電気代を試算
7月になり今後さらに気温が上がると、家の中を快適な状態に保つために、エアコンの利用は欠かせません。また、朝晩も気温があまり下がらないと、エアコンは長い時間つけっぱなしにする人は多いでしょう。 しかし、物価高騰時の生活支援を目的とした政府の電気・ガス代の補助金が6月で終了したと聞いて、電気料金はどれくらいになるのか心配な人も多いのではないでしょうか。 ▼エアコンを「24時間」つけっぱなしだと、電気代はいくらかかる? 1ヶ月の電気代を試算 本記事では、政府の電気・ガス料金の補助金の内容に加え、12時間エアコンをつけっぱなしにした場合の電気料金をシミュレーションして、補助があった場合となかった場合の料金を比較します。さらにはエアコンの節電方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
これまで行われていた政府の電気・ガス料金補助とは
6月まで政府が行っていた電気・ガス料金の補助である「電気・ガス価格激変緩和対策事業」は、物価高騰に伴う生活支援対策の一環として、2023年1月から実施されていました。使用料1kWh(キロワットアワー)単位で補助されており、価格抑制の原資が、直接政府から電力会社に補助されることで、利用者に請求される電気料金が実際より低く抑えられていたものです。 図表1のとおり電気料金補助は時期によって変動しており、補助は5月使用分まででいったん終了します。実際の請求は2ヶ月遅れとなるため、8月に請求される6月分使用分から2ヶ月間は補助がありません。なお、政府は10月に請求される8月使用分から補助を再開すると表明しています。 図表1
これまでの一般家庭向け電気代補助 筆者作成
冷房時に12時間エアコンをつけっぱなしでかかる電気料金は?
エアコンの電気料金は設定温度や外気温、部屋の広さ、住宅性能などの使用環境、さらには電力会社との契約によっても異なります。そのため、正確な電気料金は把握できませんが、一方で計算式は比較的簡単なため、消費電力から逆算した目安の電気料金は算出可能です。 まず、電気料金は「消費電力(キロワット:kW)×電力料金単価(円/kWh)×使用時間」の計算式で求められます。電力料金単価は地域や電力会社によって異なりますが、全国家庭電気製品公正取引協議会は全国平均の電気料金単価を31円/kWh(2024年7月現在)と定めており、この単価が目安となります。 ここで計算上問題になるのは、エアコンの消費電力です。消費電力とは、電化製品を動かすのに必要な電気で、電化製品のカタログにはW(ワット)で表示されています。ちなみに1000Wで1kW(キロワット)となるため、800Wであれば0.8kWです。 消費電力はエアコンの初動時に大きくなり、外気温、利用する部屋の広さなどでも変わります。また、年々エアコンの省エネ性能も向上しており、エアコンの購入時期やグレードによっても違いが出ます。 エアコンのカタログや説明書を見ると消費電力が表示されていますが、図表2のとおり、年間を通した消費電力である期間消費電力量や、JISで定められた冷暖房時の消費電力などがいくつかの記載が見られます。 図表2