人生は『銀河英雄伝説』と北方謙三氏に学んだ――運営堂 森野誠之氏が振り返る、ECビジネスと自身の10年間
愛読書は『銀河英雄伝説』。買い物は「Amazon」一択。休日は徳島でサッカー観戦
――続いては、10年間の森野さんのパーソナルなお話を伺います。 森野氏:プライベートで印象に残っていることは、10年前に家を購入したことです。当時、良い中古物件があっても妻は首を縦に振らなかったのですが、突然新築物件が建つという情報を得て「ここにする」と言われました。まだ更地の状態で「買うから」と言われて……。建て売りが立つ予定だったのですが、不動産会社からは「(家を見ずに)本当に買いますか?」と聞かれました(笑)。 それから6年ほど前に犬を迎えました。これも妻が急に「飼うから」と言って迎えることになりましたね。 子どもがいたのであっという間の10年でした。子どもたちは成長して、2024年春に中学三年生と高校三年生になり、高校受験と大学受験を同時に迎えます。 ■ オススメ書籍は人間のすべてが描かれた『銀河英雄伝説』と北方謙三氏の『水滸伝』 ――森野さんというと、たくさん本を読んでいる印象です。そんな森野さんが今まで読んだ本のなかでオススメの書籍とその理由を教えて下さい。 森野氏:田中芳樹さんの『銀河英雄伝説』でしょう。「人間のすべてが書かれている」と言っても過言ではない。宇宙の二大勢力の政治的・軍事的な争いを描いたSF小説ですが、本当に登場人物が多いのです。真面目な人も、いい加減な人も、ずるい人も登場します。民主主義のような“体制”の嫌なところもわかるようになっています。人生のすべてが凝縮されていて、一度読んでおくと生きるのが楽になるので、本当にオススメです。
コミカライズもありますし、過去にはアニメ化もされて最近リメイク版が放送されています。昔のものはVHSで売っていたのですが、とても長くてなかなか進まない。“タイパ”を重視する今の時代に逆行していますね。
もう1つは北方謙三さんの『水滸伝』。まず、ご存じない人に説明すると北方さんはハードボイルドな作家さんで、“男の渋さ”というイメージを持つ方です。 『水滸伝』をオススメする理由を説明するのが難しいのですが……。「仕事に役立つか・役立たないか」という観点では、特に役立たない。けれど、特に男性が読んだらきっと面白いと感じる部分が多いと思います。あと、ある程度年齢を重ねていると共感できるポイントが多くなると感じます。