人生は『銀河英雄伝説』と北方謙三氏に学んだ――運営堂 森野誠之氏が振り返る、ECビジネスと自身の10年間
■ 「ここまできたなら続けた方が良い」――「GA」関連を10年取り組み続ける理由とは ――当時、「GA」関連で大変だったことは何でしょうか。 森野氏:取り組み始めたときは大変でしたね。知っているつもりでも知らないことだらけで、やればやるほどわからないことが増えてきて……。実践と勉強の繰り返しでした。 バージョンアップによる仕様変更が幾度も発生し、そのタイミングで「GA」から手を引こうと考えたことはありました。けれど「『GA』の変化についていければ」という気持ちで続けてきました。 ――大変でも「変化についていこう」と思えた要因は何でしょうか。 森野氏:「ここまでやったなら続けた方が良い、もったいないかな」と思えたことですね。取り組んでいる最中は辛いですが、新しいことをゼロから考えて勉強していろいろやるのはもっと厳しい。 けれど、続けてきてすでに土台ができ上がっていることなら、変更などがあっても新たに覚えることはそれほど多くない。たとえば「GA」で覚えることが100あるとしても、80~90くらい知っていれば事足りることが多いです。あと、100が110、120になっても絶対量は倍になるわけではなく、ある程度のところまで理解していれば、新たに覚えることは少しずつしか増えません。
「ここまでできるようになったから、ちょっと頑張れば良いだけだ」と思って続けています。取り組んでいることを徐々に変える、少しずつバージョンアップして継続していく方が性格的にも向いていますね。個人的に続けることが一番楽だと思っていますし、1つの物事に長期で取り組む方が合っている。新しいことを短期間で進めようとすると、無理が生じるのではないでしょうか。
自身が成長を続けられた秘訣は、「前向きに考えるマインド」
――この10年、成長し続けられた秘訣は何でしょうか。 森野氏:「上手くいかないことがあれば、都度それを修正してきたこと」でしょうか。上手くいかないことがあるのは仕方がないので、そこで「何が良くなかったのか」「どうすれば良かったのか」と振り返りを行ってきました。それを受けて、支援企業に対しては「ここは良くなかったので、今度からこうします」と提案していきます。 努力していても上手くいかないことは多々ありますが、凹んでいる時間は勿体ないです。それよりも、「次にどうするべきか」を常に考えて仕事に取り組んでいます。 ――先日、「上手くいった時も、なぜ上手くいったのかを考えることも大事」と書かれている記事を読みました。森野さんは上手くいった時も振り返りをしますか。 森野氏:「これで良かったんだな」と振り返ります。「この方法で上手くいったのなら、他のことも似たようにできるかな」と考えて進めています。 なので、上手くいくこと・いかないことをずっと考え続けていますね。仕事モードの時は歩いている時、電車に乗っている時など常に考えています。「何も考えない」ことの方が難しいかもしれません。 ――常に何かを考えていると、失敗してしまったこと、嫌なことを思い出しませんか。 森野氏:一瞬なることはあります。ただ、嫌な気持ちになったとしても、過去のことはどうしようもない。先のことは「やるか・やらないか」を決めるだけですし、やらなければいけないことはきちんとやる。過去のことや細かいことを気にし過ぎると、仕事以外にも良くない影響が出ます。 1人で仕事をしているとマイナス思考になりがちなので、前向きに考えるようにしています。不安なことを考え始めるとキリがありませんので。 独立したばかりの時は不安なことも考えていましたが、徐々に「誰のせいにもできない」「自分がサボっているからそうなってしまう」と思えるようになりました。すべて自分の責任なので自分が頑張るしかない。行っていることは「すべて自分」というところに帰結します。 「後ろを向いても意味がない」「自己責任」と思えるマインドを持てるようになったことも、成長につながっているかもしれません。