あなたにぴったりの回答を引き出す「GPTs」の使い方 (横須賀輝尚 経営コンサルタント)
■「間違う/的外れな発言もある」ことは覚えておこう
これもよく指摘されることですが、生成AIは間違うことがあります。ですから、出力された情報を使う責任はあなたにあるということは忘れてはいけません。アイディアの壁打ちをするだけであればともかく、業務上に使用するテキストなども出力させたいのであれば、やはり真偽の確認は必要になります。 たとえば、具体事例などの確認は必須です。法律について調べてもらうときなど、「日本国内の法律で」と加えないと、ほかの国の法律を参照して回答してくることがあります。 また、たとえば無料版のChatGPTに「倒産しそうになったけれど、起死回生で逆転できた企業の事例を教えてください」など質問をしても、エビデンスまで付けて回答してくれることはありません。有料版の「ChatGPT Plus」であれば、「Webを参照したうえで回答してください」と入力することで、参照したWebサイトも込みで教えてくれるようにはなっています。ただしその場合も、ChatGPTが挙げてきた元サイトもきちんと確認する作業は必要です。 また私の経験則では、事例についてWebを参照させても、ドンピシャで欲しい事例を挙げてくれる確率は低めです。上の「逆転できた企業の事例」を答えさせると、Appleなど超大企業の名前を出してきます。それが知りたいことであればそれでよいのですが、たとえば「自分の企業の分野、職種、企業規模に近い事例」を聞こうとすると、ちょっと難易度は上がります。 「なぜか?」といえばこれは単純で、「そもそもWebにその情報がない」という場合は、ChatGPTの守備範囲外になってしまうからです。 MyAIの考え方を使えば、あらかじめあなたにパーソナライズした回答を出力してもらえることになります。そのため、あなたの文脈から外れた回答が出てくる可能性は減りますが、そもそもの生成AIの性質としてこれらのことは覚えておきましょう。
■著作権侵害にも要注意
生成AIが出力した情報については、著作権、商標権、意匠権、肖像権、パブリシティ権など、権利を侵害する場合があることも知っておきましょう。OpenAIは、ChatGPTが出力する情報をすべて「商用利用可」としていますが、それが他者の権利を侵害していないことの保証にはなりませんので、注意が必要です。 たとえば、生成AIに考えてもらった商品・サービス名が、商標権の侵害になる可能性もあるわけです。ほかにも、ある文献を読み込ませて原稿を執筆してもらい、それを自社のブログにそのまま使ったり、出版するなどすると、それは著作権の侵害になる可能性が高いでしょう。もし自分でアウトかどうかを判断できない場合は弁理士、弁護士など専門家の指示を仰ぐべきです。