モンテッソーリ教師あきえさん 「子育ては“引き算”するぐらいでちょうどいい」 親の決めつけをやめたら子どもの自己肯定感がUP
私たち人間の脳は、使う情報ほど強く記憶されていくため、一度先入観をもつとそのような見方以外では見えにくくなってしまうことがあります。実際に目に映らないのではなく、見えているけれど気づきにくくなってしまうのです。 しかし、①のように〝今〞の子どもを先入感をもたずに観察する。その上で「この子が楽しんでいることは何だろう?」「何を求めているのかな?」もしくは「困っていることはあるかな?」と考えていきます。このように〝今〞の子どものニーズを掴むことができるようになると、そのニーズに合ったサポートを実現することができます。
そのようなサポートがあることで子どもはより「自ら育つ力」を発揮できるようになるのです。 さらにそれだけでなく、子どもはありのままの自分を受け止めてもらえているという実感と体験を積み重ねることができます。その体験が子どもの自尊感情の育みにつながります。 ■親が勝手に評価しない 3. 「子どもがどう感じているか」を大切にする ①や②のように「観察する」、「“今”のニーズを掴む」ことをした上で意識したいことが、子どもを観察した“後”の「勝手な評価」です。
せっかく先入観を引き算して、客観的に子どもを観察しても、その後に勝手な評価をしてしまうと、より「決めつけ」が強くなってしまいます。そのため、子どもを観察する“前と後”でそれぞれの「決めつけ」をしていないかを意識するのがおすすめです。 私たちは、「決めつけや勝手な判断をしたい」なんて思っていないのに、無意識に判断して、評価してしまうものです。 たとえば、公園に行ってわが子と年齢が近い子どもを見たり、保育参観でクラスのみんなの様子を見たりすると、評価したいと思っていなくても、「うちの子の発達って、だいたいこんな感じなんだ」などと思ってしまうということはありませんか?
他にも子どもの姿を見た時に「本当、不器用なんだから」「こういうところがだめなんだよね」と評価したくなるということもあるかもしれません。 そのような評価をすると、私たちの「決めつけ」が強くなり、引き算したはずの子どもを観察する〝前〞の先入観もさらに強くなってしまいます。大切なことは、大人がどう評価するかよりも、子どもが何を求めているかです。だからこそ、観察した〝前と後〞の「決めつけ」をどちらも引き算するのです。