自民党新総裁の岸田文雄氏が記者会見(全文1)分配なくして次の成長もない
自民党総裁選で第27代総裁に決まった岸田文雄前政調会長は29日、党本部で記者会見を開いた。 【動画】自民・岸田文雄新総裁「新しい資本主義を構築していきたい」(2021年9月29日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「自民・岸田文雄新総裁「新しい資本主義を構築していきたい」(2021年9月29日)」に対応しております。 ◇ ◇
自民党が自由闊達な政党であることを示せた
司会:ただ今より、岸田文雄新総裁の記者会見を行います。私、司会を務めます自民党報道局長の、衆議院議員、星野剛士でございます。冒頭、岸田文雄総裁よりごあいさつを申し上げたのち、平河クラブ幹事社によります代表質問を3問、その後、時間の範囲内で、平河クラブ加盟社からの質問をお受けいたします。なお、会見の時間は30分となりますので、ご協力をお願い申し上げます。 それでは岸田文雄総裁、お願いいたします。 岸田:はい。このたび自由民主党総裁に選出されました岸田文雄です。どうぞよろしくお願いいたします。今から1カ月前、8月26日ですが、私は総裁選挙、出馬を表明いたしました。国民の皆さんの中に、国民の声が政治に届かない、あるいは、この政治の説明が国民の心に響かない、こうした厳しい切実な声があふれていました。今まさに、わが国の民主主義そのものが危機にある。強い危機感を持ち、私はわが身を省みず、この総裁選挙、真っ先に手を挙げた次第です。 あれから1カ月。河野さん、高市さん、野田さん、こうした素晴らしい総裁候補と共に、国民の皆さんに寄り添い、国民の皆さんの声に耳を澄まし、積極的な政策論争を行ってきました。このことによって自由民主党が国民政党として国民の皆さんに寄り添い、そして、自由闊達な政党であるということを示すことができたと思っています。
年内に数十兆円規模の経済対策を策定
しかしわが国は今、この国難といわれる厳しい状況の中にあります。コロナ対策、これからも全てを懸けて必死に取り組んでいかなければなりません。国民の皆さんが、このコロナによって心をばらばらにされてしまっている。こうした状況に対して、ぜひみんなで頑張ろうという心をしっかりと取り戻し、ワンチームとしてこの国難に取り組んでいく、こうした雰囲気をつくっていかなければなりません。 そしてコロナ対策には国民の皆さんの協力、これは欠くことができません。年内に数十兆円規模の経済対策を策定することによって多くの国民の皆さんに、共に協力していただける、こうした雰囲気をつくっていきたいと思っています。 そしてその先に経済。新しい資本主義を構築していきたいと思います。経済には成長と分配、これが共に求められます。成長なくして分配なしです。しかしながら分配なくして次の消費、さらには需要、これも喚起されないということです。分配なくして次の成長もない。これもまた偉大な事実であると私は思っています。今こそ成長と分配の好循環、これを実現し、全国津々浦々、この成長の果実をしっかり届けていきたいと思います。すなわち、できるだけ幅広い国民の皆さんの所得、給与を引き上げる、こうした経済政策を採っていきたいと考えています。 さらには外交・安全保障につきましても、3つの覚悟を訴えさせていただいています。民主主義をはじめとする基本的な価値観を守り抜く覚悟。そしてわが国の平和と安定を守り抜く覚悟。そして環境をはじめとする地球規模の課題に貢献することによってこの国際社会において存在感を示し、もって国益を守っていく。こうした覚悟、この3つの覚悟の下に外交・安全保障政策を進め、「自由で開かれたインド太平洋」を構築していきたいと考えています。 それ以外にもわが国においては少子化問題、さらには人生100年時代を見据えた全世代型の社会保障制度の構築、さらにはICTを活用した個別な教育の推進、さらには現場を重視し、そして地域に寄り添った、多様で豊かな農林水産業の構築・推進、こうしたさまざまな課題が山積をしています。私、岸田文雄の特技は人の話をよく聞くということであります。ぜひこうした課題に対して、できるだけ多くの国民の皆さんの声を聞かせていただきながら、1つ1つ丁寧に答えを出していきたいと思っています。 丁寧で、そして寛容な政治を行い、国民の一体感をしっかりと取り戻していきたいと考えております。国民の皆さま方のご理解とご協力を心からお願い申し上げる次第です。以上です。