自民党新総裁の岸田文雄氏が記者会見(全文2)多くの人の声も聞いた上で決断したい
自民党総裁選で第27代総裁に決まった岸田文雄前政調会長は29日、党本部で記者会見を開いた。 【動画】自民・岸田文雄新総裁「新しい資本主義を構築していきたい」(2021年9月29日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「自民・岸田文雄新総裁「新しい資本主義を構築していきたい」(2021年9月29日)」に対応しております。 ◇ ◇
幅広い方々の所得が上がることで消費を喚起
岸田:すなわちこのコロナ禍でも大変苦労されておられる看護師の方とか介護士の方ですとか、あるいは保育士の方々、こうした方々の給料はそもそも仕事の大変さに比べて給料が低いんではないか、こういった指摘がありました。ただ、こういった方々の給料は国が決めることができるものです。ぜひこうした、従来から働きに比べて給与が少ないといわれている方々の公的価格は国が率先して適正に引き上げることを考えたらどうか。そのことが民間の給料の引き上げにも呼び水となって広がっていくことがある、できるんではないか、こんなことを申し上げています。 それで財源ということですが、財源はまずは先ほど言いました成長なくして分配なしでありますから、経済の成長、これをしっかりと財源として使っていかなければなりません。先ほど言いました、看護師、介護士、あるいは保育士といった方々の給料を考えても、例えば医療に関する市場っていうのは40兆円の市場だといわれています。介護の市場は10兆円の市場だといわれています。この市場その中での分配の在り方、そもそも市場自体を大きくすることもしっかり考えながら、適正に分配されているかどうか、これを考えるのが、この財源という意味で重要であると思っています。 そして好循環についてどういう理屈かということですが。先ほど言いましたように多くの皆さんの給料、所得を引き上げていく、それも一部の方々ではなくして、できるだけ地域や分野にかかわらず幅広い方々の給料を引き上げる、そのことによって経済全体の消費が間違いなく喚起されます。昭和30年代の所得倍増論、あの時代も、あの当時は皆さんが貧しくて格差があまりない時代でしたが、その中でさらに幅広く所得を喚起することによって消費を拡大させた。当時の三種の神器、あるいは新三種の神器、電化製品をはじめ爆発的な消費を喚起した、ああいった実績があります。ぜひ今の時代においても幅広い方々の給与を引き上げる、このことがひいては格差を解消することにもなるわけですが、併せて、幅広い方々の所得が上がる、給与が上がることによって、消費を喚起することになります。