元銀行員が教える、iDeCoで多くの人が後悔する3つのポイントを解説
近年、資産形成の手段として注目を集める「新NISA」と「iDeCo」。特に、新NISAはその手軽さから多くの人が利用を始めていますが、iDeCoについては「制度が複雑でわかりにくい」と感じる声も少なくありません。 ◆【写真全4枚】新NISAとiDeCoの違いやiDeCo制度の概要も図解 新NISAと比較すると、iDeCoは独自の仕組みが多く、「始める前に知っておけばよかった」と後悔する人もいるようです。 そこで今回は、元銀行員であり、企業型確定拠出年金やiDeCoの講師を担当していた筆者が、受講者から聞いたエピソードをもとに後悔しがちな点を3つご紹介します。 2025年からiDeCoを始めてみようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
後悔(その1):iDeCoで運用商品の変更方法を間違えてしまった
iDeCoでは、運用環境に応じて運用商品を変更することが可能です。しかし、「配分変更」と「スイッチング」の手続きを正しく理解していないと、思わぬミスをしてしまうことがあります。 ・今後の掛け金の購入先を変更する(配分変更) すでにA商品で運用されている資産はそのまま残り、運用が続きます。 ・今までの資産を売却し、他の商品で運用を始める(スイッチング) この手続きだけでは、掛け金の購入先は変わりません。そのため、今後も掛け金の配分としてA商品を指定しているのであれば、引き続きA商品を購入することになります。 A商品での運用を完全にゼロにしたい場合は、配分変更とスイッチングの両方を行う必要があります。 この違いを把握せずに手続きを進めると「A商品を売却したつもりが運用は続いていた」という失敗につながることもあります。 配分変更とスイッチングはiDeCoでよく混同されるポイントです。違いを理解しておきましょう。 ●配分変更とは 確定拠出年金の資産運用において、毎月の掛金で購入する運用商品の配分比率を変更すること。一方、運用商品を売買することでこれまでに積み立てた資産残高を変更することを「スイッチング(預替え)」という。配分変更とスイッチング(預替え)はそれぞれ別の手続き(指図)で行う必要がある。 DC法第4条第1項第5号で少なくとも3か月に1回は運用指図(配分変更)できるように定められているが、運営管理機関等のWeb経由で手続きをすることから通常はいつでも行えることが多い。 ただし、当月の掛金に反映するための締切日(拠出日の何営業日前の何時等)が設定されているので各プランで確認する必要がある。 ー 企業年金連合会「配分変更」より ●スイッチングとは 確定拠出年金の資産運用において、運用商品の売買でこれまでに積み立てた資産残高を変更すること。一方、毎月の掛金で購入する運用商品の配分比率を変更することを「配分変更」といい、スイッチングと配分変更はそれぞれ別の手続き(指図)で行う必要がある。 ー 企業年金連合会「スイッチング(預替え)」より