ドラ1有力・西川史礁(青学大)が語る「守備型のショートだった僕が日本代表4番になれた理由」【ドラフト候補インタビュー】
意識次第で人は変われる
――大学に来て飛距離もでるようになりましたが、レギュラーを取る大学3年春まではなかなか実績を残せませんでした。3年春ではMVPを獲得しましたが、なにか変わったんですか? 西川 自主練習の量を増やしたんです。昼に全体練習が終わってから長い時は夜の6時半ぐらいまで振り込む時もありました。振り込みが終わった後はしっかりご飯を食べて、ウエイトに行う――そういう1日1日が今に繋がっているのかなと思います。やはり2年の冬の取り組みが自分が一番変わった時期だったと思います。 ――昨年の中日ドラフト1位の草加勝投手(創志学園-亜細亜大)、楽天1位の古謝樹(桐蔭横浜大)から本塁打を放っています。レベルが高い投手と対しても、打席の中でも余裕を持っているように感じます。 西川 草加さんとはその時が大学で初めて対戦。とにかく真っ直ぐを引っ張れるタイミングで打ちにいったんですけど、初球が真っ直ぐじゃなくて甘く入った変化球だったんので、我慢して呼び寄せてから振り切ったらホームランになってくれました。自分の対応力の高さを見られたかな、と思います。 古謝さんのときはとにかく「三振したくない」と思ってノーステップに切り替えたんです。そこに変化球が高く浮いてきたんで、うまくバットに乗せることができたなと思います。古謝さんは真っ直ぐが速くて、手元で伸びてくる球の質の良さというのをすごく感じました。 ――この勝負強さはどこから来るのでしょうか。 西川 確実性というのは普段から追い求めています。自分が理想とするのは、甘く入った球を100%捉えるバッター。レベルの高いピッチャーになればなるほど、甘い球は来ない。甘い球が来たなら1球で仕留められるように練習からずっと意識していま。 ――3年には大学ジャパンの4番を経験しました。歴代の大学代表の4番は吉田正尚選手(レッドソックス)、山川穂高選手(ソフトバンク)、森下翔太選手(阪神)など高校時代からスラッガーとして活躍していた選手ばかりです。そうした中、西川選手は守備型の選手からスラッガーへ成長した異例のケースです。努力次第とやり方次第で登り詰めることができるんですね。 西川 意識次第で人は変われる、ということを実感しています。やる気になれば無理なことはありません。自分は普段から「無理」という言葉を使いたくありません。 高校時代はただ打ちたいだけでした。今ではバットの選び方にもこだわり、体の使い方なども意識するようになりました。自分の打ち方をしっかりと確立するには練習しかないと思います。 西川 史礁(にしかわ・みしょう) 右投げ右打ち 182センチ87キロ 和歌山県出身 龍谷大平安では2年の選抜で公式戦初出場。10打数3安打を記録し、ベスト8を経験。ラストシーズンでは3番打者だった。高校通算7本塁打のうち公式戦2本塁打。 青山学院大では1年秋からベンチ入りも2年生までは2安打しか打てなかった。しかし3年春から打率.364、3本塁打、10打点の活躍でリーグ優勝、MVPを獲得。さらに大学選手権でも本塁打を放ち、日本一に貢献。大学日本代表にも選出される。今年3月には強化試合・欧州代表戦に参加するフル代表に大学生ながら選出され、3安打1打点の活躍で強烈な印象を与えた。東都通算6本塁打、全国大会、国際大会をあわせて計10本塁打を記録し、どの舞台でも持ち味を発揮している。