どうなる?5P差の中に徳島、福岡、長崎の3チームでJ1昇格争いが大混戦
同じ図式は5年ぶりのJ1復帰を目指す福岡にも当てはまる。残り試合では前半戦で勝てなかった東京ヴェルディ、京都、愛媛FCと対戦するが、中盤戦以降は堅守と豊富な運動量をベースとした愚直な戦い方が成熟。8度のクリーンシートを含めた12連勝を達成し、一気に昇格争い戦線に食い込んできた自信も礎になっているだけに、いかにして先制点を奪うかがカギを握ってくる。 2強との直接対決をすべて終えている長崎だが、残り試合では松本山雅FC、アルビレックス新潟、山形、ヴェルディ、ヴァンフォーレ甲府と前半戦で勝てなかった相手が続く。それでも手倉森監督はホームのトランスコスモススタジアムで5試合と、徳島と福岡の4試合よりひとつ多く戦えるスケジュールを見すえながら、最後にはメンタルの強さが3年ぶりのJ1復帰を手繰り寄せると力を込めた。 「昇格へのドラマは自分たちが主役になると、その気になって戦っていきたい。今日も長崎から400人ものファン・サポーターが来てくれたし、今度はホームで何千人ものファン・サポーターがいる前で勝利の喜びを分かち合いながら、昇格へ向けてまい進していきたい」 最終節の直接対決で雌雄が決まる状況になれば、勝ち点差をさらに詰めていけば長崎にもどちらかを逆転する可能性も生まれる。開幕ダッシュに成功した長崎を、9連勝をマークした北九州が追随。昨シーズンのJ1昇格プレーオフ決定戦に臨んだ徳島が地力を発揮し始め、右肩上がりに転じた福岡と執念で食い下がる長崎が紡ぐJ2劇場は、予測不能のクライマックスへと突入していく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)