どうなる?5P差の中に徳島、福岡、長崎の3チームでJ1昇格争いが大混戦
こぼれ球を拾ったMFカイオ・セザールから、自陣中央のMF氣田亮真へ縦パスが入る。全員が思いを共有させたカウンターは氣田の右側をフォローしながら加速し、オフサイドぎりぎりのタイミングで最終ラインの裏へ抜け出したMF名倉巧が決めた決勝ゴールへと結びついた。 「千葉の選手がどんどん前へ来ていたので、ボランチとセンターバックの間で上手くボールを受けて、前を向くことができればチャンスに作れるとずっと話していた。結果に繋がってよかった」 殊勲の名倉が声を弾ませれば、ベガルタ仙台とリオ五輪男子代表の監督、日本代表コーチをへて、昨シーズンから長崎の指揮を執る手倉森監督も価値ある白星だと力を込めた。 「起こりうることを想定していたなかで、実際に起こったときにしっかり仕事をした選手たちを褒めてあげたい。アウェイでのしたたかな勝ち逃げというか、これからもこういうゲームが必要だと思う」 第35節を終えて徳島が勝ち点71で首位を守り、2ポイント差の69で福岡、さらに3ポイント差の66で長崎が続く。4位のギラヴァンツ北九州の勝ち点が57だから、残り7試合という状況を踏まえても、上位2チームが自動的に昇格するJ1切符争いは四国・九州の3チームにほぼ絞られた。 総得点を見れば徳島と長崎が55得点でリーグ2位に並び、総失点で徳島はリーグで2番目に少ない27失点、長崎は同じく4番目の34失点と攻守のバランスも取れている。福岡は総得点こそリーグ13位の41得点に甘んじるものの、リーグ最少の25失点を誇る堅守で勝利をもぎ取ってきた。 残り試合における3チームによる直接対決は、福岡がホームに徳島を迎える一戦だけ。しかもまるで今シーズンの昇格争いを見越していたかのように、12月20日の最終節に組まれている。 対戦相手を見ていくと、7シーズンぶりのJ1昇格を目指す徳島は、前半戦で勝てなかった第37節のツエーゲン金沢、第38節の北九州、第39節の水戸ホーリーホックを含めてしっかりと勝ち点3を積み重ねて、ホームで0-1と苦杯をなめさせられた福岡との最終節に臨みたい。