高齢者ワクチン接種「徐々に始まっていく」 河野担当相が“不確定要素”に理解求める
新型コロナウイルスのワクチン接種を担う河野太郎行革担当相は24日夜の記者会見で、4月以降としていた高齢者向けの優先接種のスケジュールについて、4月12日から限定的にスタートさせると明らかにした。全市区町村に向けたワクチンの配送は26日の週から行うとしたが、ワクチン確保には不確定要素もあると理解を求めた。 【動画】高齢者のワクチン接種「4月12日からスタートしたい」河野担当相会見
高齢者接種は4月12日からスタート
河野担当相が「誤解のないように申し上げておきたいが」と強調したのは「仮に全市区町村でスタートしてもすべての人が一斉に受けられるということにはならない」ということだった。 新型コロナのワクチンは2月17日から4万人の医療従事者に向けて先行接種が始まっている。その後、残りの医療従事者が接種を受け、65歳以上の高齢者への優先接種は4月以降にスタートするというのがこれまでの見通しだった。高齢者への接種を「2か月と3週間」で終える目標を掲げ、その後に基礎疾患のある人、高齢者施設の従事者が受ける。一般国民への接種はこうした優先接種の後になる。 河野氏はこの日の会見で、高齢者向けの接種は4月12日から限定的に始めるとのスケジュールを明らかにし、さらに4月26日の週から、全国すべての市区町村に行き渡る数量を配送するとした。冒頭の発言は、記者から「多くの高齢者は26日から接種が始まるのか?」と問われたことへの返答だった。 対象となる高齢者は全国で3600万人に上る。政府は高齢者向けのワクチンを4月19日の週までに順次、各都道府県に計1100箱分送る。河野氏は「高齢者への接種をどの市町村で行うか、配分するかは各都道府県に調整をお願いしたい」と説明した。接種は間隔を3週間空けて2回受けることが必要で、原則として住民票のある市区町村で受けるが、具体的に接種をどう行うかは各自治体の判断になる。 「3600万人に1回目の接種をするにも相当な時間がかかる。地域を割ってやるところもあれば、年齢でやるところもあれば、数量が限られているのなら、まずは訪問して接種するところもあるだろう。それぞれの自治体の考え方もある。徐々に始まっていくということだとご理解いただきたい」。河野氏はこう呼びかけた。 医療従事者の優先接種の対象人数をめぐっては、約370万人とする当初の厚生労働省の推計から約100万人増えたと伝えられている。「当初想定していた370万人より上振れしたので、その分(予定が)少し後ろずれするところが出てくることはお許しいただきたい。それを勘案して高齢者接種はスタートしたい」