一般向け接種はいつ頃に? ワクチン準備の「現状」は
新型コロナウイルス対策の「切り札」と期待されるワクチンの接種が2月17日から医療従事者向けに先行して始まります。ワクチン接種を担う河野太郎行革担当相は16日の記者会見で、現時点におけるスケジュールや準備状況について説明しました。どのような手順でワクチン接種は進められるのでしょうか。 【全編動画】コロナワクチン、2月17日から先行接種開始 河野担当相が会見
●3週間空けて「2回接種」必要
「4万人の医療従事者に明日から接種を開始する」 河野担当相はこの日の会見で、新型コロナのワクチンを100の医療機関の医療従事者に2月17日から先行接種するとのスケジュールを公表しました。 日本では2月14日に米ファイザー社のワクチンが特例承認されました。厚生労働省などのサイトによると、このワクチンは発熱やせきなどの症状の発症を95%の有効性で防ぐ効果が認められているといいます(インフルエンザ・ワクチンの有効性は約40~60%)。 接種対象となるのは16歳以上。ワクチンは2回接種する必要があり、1回目を接種した3週間後に2回目を打ちます。接種には優先順位が設けられており、(1)医療従事者ら(2)65歳以上の高齢者(3)基礎疾患のある人や高齢者施設などの職員(4)それ以外の一般国民、となります。 原則として、住民票のある市区町村の会場で接種を受けますが、その際、自治体から郵送される「接種券」と「本人確認書類(運転免許証や健康保険証)」を持参する必要があります。費用は全額公費、つまり無料です。
●医療従事者から「先行」接種
今後の見通しについて河野担当相は、来週以降に100の医療機関すべてで先行接種が始まり、「2回目の接種は3月10日以降になる」としました。 4万人の先行接種の次は、それ以外の医療従事者らが接種を受けます。1500の医療機関の約370万人が対象です。河野担当相は「先行接種用に余りが出れば、先行接種以外の医療従事者に順次活用してもらう」としており、その後は供給の状況を見て接種を進めるといいます。
●65歳以上の高齢者は「4月から」
医療従事者の接種が終わると、次は高齢者です。対象は2021年度中に65歳になり、1957(昭和32)年4月1日以前に生まれた人です。 高齢者については「4月から接種を開始することを見込んでいる」と述べ、4月1日より前に早まることはないとの見通しを示しました。 政府は高齢者に対する接種を6月の第3週までに完了させる計画を掲げています。「自治体は大きさも地理的な状況も違うので、なかなか『2か月と3週間』で全ての自治体が行けるかは分からないが、目標としてはそれを頭に置いての体制づくりをお願いしたい」。 ファイザー製のワクチンはマイナス70度前後で保管する必要があり、輸送中などに品質管理で問題が発生する恐れがあります。こうした状況を踏まえ、河野担当相は「常に国内で何らかの在庫を持った状況で進めていきたい」との考えを示しました。